昔々、茶色い髪と瞳の異相の娘が、山中に一人でひっそりと暮らしておりました。
ある初雪の降った冬の夜。山で暮らす彼女を訪ねたのは、立派な身なりの男でありました。
「急な雪に降られて難儀をしております、どうか一晩だけでも……さぶい」
ただしがち
がちに震えている上、頭に熊耳付きのその男、明らかに人ではありませんでした。
まあいっかと熊化けをこき使うため知らんふりをすることにした娘さんと、恩返しがしたいのにうまくいかない熊おっさんのひと冬のお話。 和モノ冬恋企画参加作品です
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-12 20:04:30
13586文字
会話率:33%