「天童さん。」と、伝子が驚いていると、「やっと、ドクターからお許しが出てね。理事官。今日から復帰します。」と、天童は理事官に挨拶をした。
「それは、助かる。退院おめでとうございます。」
皆、異口同音に「退院おめでとうございます。」と言った。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-15 08:04:05
5895文字
会話率:14%
アガタクリコじゃない私、十和田(とわだ)毬子(まりこ)は、地方銀行の新米出納係だった十年前、得意客である往来商事の〈色の薄いオバサン〉と出会った。彼女はなぜか私をアガタクリコと呼んだ。始めはにこやかに、やがて不気味な執拗さで。なぜなのか、
周囲の人々は異口同音に知らないと言うが、不穏な出来事は続き、ついに決定的な悲劇が起こる。
遠くの街に移り住んで環境を変え、ようやく平和な日常を得た十年後、私は思いがけず往来商事のその人と、街でばったり出会ってしまった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-05 22:21:00
27369文字
会話率:33%
とても鮮やかで、息を呑むほどに美しい赤色の月が浮かんだ夜。
世界に存在するありとあらゆる全ての占者、予言者、先見師達が、皆、異口同音に同じ言葉を、人々に告げた。
人々は静かに、その言葉に耳を傾けた。
《もうすぐこの世に、ありとあらゆる災
厄を孕んだ一人の赤子が、産み落とされるであろう》
《この世で最も古き血を抱く者。おぞましい金を持つ者》
《人の形をしたその災いが生き続ければ、この世には悲しみと憎悪、そして絶望が満ち溢れ滅びの結末を迎える》
《けれど、案ずることはない》
《滅亡の申し子が産み落とされる時、栄光の申し子、始まりの英雄となるべき赤子も、その産声をあげている》
《そして、災厄の中にこそ希望はある》
《英雄が災厄を滅ぼせば、希望は解き放たれ、この世界には、永き安寧と平和が訪れる》
《そして、数多の人々よ。あなた達もまた、無力ではない》
《あなた達は信じることが出来る》
《英雄が災厄を滅ぼすことを心から信じよ。ひたむきに信じ続け、祈りを捧げよ》
《その心が、その祈りが、その想いが、英雄の力となり、災厄を滅ぼす剣となるのだから──》
──そんなもの、俺は、絶対に認めない。
これは祈りと願いの物語。
ただ、共に在りたいと。一緒に生きていきたい、生き抜いていくんだと望み、臨んだ、二人の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-08 17:49:47
201771文字
会話率:42%
ある平野に、ぽっかりと空いた広大な「穴」があった
その穴に関す起因や歴史の記録はなく、あるのは昔からの憶測めいた噂だけ
その噂を信じてか踊らされてか、奥を確かめるべく穴へ降り立った者達は数知れない
その多くは戻ることはなかったが、稀に帰還す
る者達はいた
だが彼らは何も答えない。異口同音に「望みは得られた」との言葉以外は
「穴」へ降り立つ者は今も多い
今日も一人、新たにその淵へと到着した折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-24 15:57:36
1538文字
会話率:0%
その部屋はどうも呪われているらしい。人は次々入れ替わるし、退去者は異口同音に同じことを語る。
最終更新:2017-03-05 18:04:08
1838文字
会話率:16%
腕の立つ仲間を探していたイーリスは酒場で人を募る。
そこで皆が異口同音にある男の事を口にした。
機械を操る鎮伏屋マキナと相棒デウス。
少女の依頼から始まった物語は、大きな渦となって彼女達自身を巻き込んでいく
最終更新:2012-12-18 02:39:00
14858文字
会話率:41%
第6回描写研究会提出作品。
テーマ:二人の登場人物が異口同音に言葉を発言する。
最終更新:2011-05-22 10:29:57
967文字
会話率:20%