その彼女は恋を知らぬまま死を迎えた。
特殊な生い立ちの彼女は死に恐怖はなかったが、ただそれだけが心残りであった。
しかし生前の功績、神への信仰心の厚さ、仕える神は違ったが、それでも。と、ある世界の女神があまりにも不憫すぎると彼女の願い
を聞き届けた。
そうして、彼女はステラ=アリアハートとしてかの世界に産み落とされたのだけれど、元々の教養と才能、元の世界ではあまり実感できなかった素質が新たな世界で日の目を見ることになり、誰もが与えられる3つの才能、そのすべてが世界樹に属するものであった。
しかしステラ自身、転生前に才能で決められた檻に閉じ込められていたこともあり、目立ちたくはなかった故に、自身の力を隠しその力の下位互換である錬金術師としての道を歩むことを決めた。
そして商業の勉強をしようと通った学校で、彼女は出会ってしまった。
強くて、優しくて、何よりも何の曇りもない瞳で、ステラを守ると告げたその声を――ある意味一目惚れだった。
そんな彼女が、冒険者でも何でも、力でお金を稼ぐことを目的に学校に通っている、アルフォース=ルビーと出会い、恋を知らない少女が加減もブレーキも出来ずにただただイチャつくだけのお話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-28 10:07:12
65228文字
会話率:57%