浄化の力の弱い落ちこぼれ。
ミモザへの評判はそんな感じだ。
瘴気という毒の靄に脅かされている王国で、それを浄化出来る力を持つ王族の一人なのに、他の家族と比べて力が弱い。
色々と陰口は叩かれているものの、その度に家族がぶちギレるものだから
、落ち込んでいる暇はない。
その日も暴れ出しそうな家族を宥めていたミモザ。するとそこへ領主代行の青年がやってきてこう言った。
「ミモザ様! どうか我がヴェルデ領に来ていただけないでしょうか……!」
思わず「正気?」と訊きかけたミモザだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-16 17:12:55
51336文字
会話率:36%