僅かな金と疲弊による充足のためだけに日々を過ごす一人の男、栄一門。
身動きの取れない緩やかな網に囚われたような日々の中、彼が思い出すのは青春のひととき。
空手に捧げた青春、その中で得た熱。
そしてそれを失うことになった一つの試合の一つの過ち
。
どうあがいても取り消すことの出来ない自らの罪と向き合うため、栄は夜の街を抜け闇に包まれた公園へと向かう。
そこで待つ男の名前は三島。
栄とよく似た、嫌な笑い方をする男だった。
*夢枕獏先生の獅子の門を読んだ勢いで書いたオリジナル小説です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-15 22:49:00
9840文字
会話率:13%