Webで投稿していた小説に、ある日突然書籍化の打診が来た。
どうやら詐欺や自主出版でもないらしい。
夢のような話にテンションがぶち上がる。しかしその打ち合わせの席上で編集者さんに言い渡されたのは──
「恋愛部分の大幅な改稿が必要です」
僕には一番難しい要求だった。
恋愛なんて異世界よりもファンタジーな僕に感動できる恋愛パートなんて書けるはずがないっ!
途方に暮れつつも改稿作業を開始した僕に、更なる悲劇が起こってしまう。
小説を書籍化することがクラスメイトのスクールカースト上位女子にバレてしまったのだっ!
イラストレーターを目指しているらしいその風変わりな女の子は、ほとんど会話したこともない僕の書籍化デビューを自分のことのように喜んでくれる。
そして作品を読んだ彼女は、編集者さんと同じように恋愛描写が甘いことを指摘してきた。
「恋愛経験がないから書けないんじゃないの? 私が仮の彼女になってあげようか?」
小説推敲的にはありがたいけど、僕には片想いの女の子がいた……
焦れったい恋の行方と、人生初の書籍化に燃える青春の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-23 20:22:05
161270文字
会話率:42%