イヴァンは粉ひき小屋の末息子。父親が亡くなり、長男が家を継いだものの、力仕事のほとんどを押しつけられて、毎日へとへとになって暮らしている。
ついに嫌気がさしたイヴァンは、自分に似合った仕事を探すため、夜も明けきらぬうちから家を飛び出した。持
っているものは一匹の猫と、小麦でできているパンをいくらでも取り出せる魔法の袋。食べるものには困らない。
とはいえパン生活に飽きたころ、同じように家を飛び出して、自分だけの仕事を探すマリオと出会う。
マリオは金物屋の子どもで、水を入れてかき混ぜるとスープができる、魔法の鍋を持っていたが、具のないただのスープにすっかり飽きてしまっていた。
そこでふたりはお互いの物を分け合って、美味しい食事を作り上げる。そして、そのまま一緒に旅をすることに。
粉ひき小屋の子と金物屋の子、それと猫が旅を通じて未来を模索する物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-13 20:08:59
10278文字
会話率:46%