渋谷駅の喧騒の中、歩いていた大学生である「僕」を、見知らぬ少年が呼び止めた。「黒猫会」という催しでアルバイトを頼まれてくれないかという。報酬は3万円。詳細は聞かされず、訝しむ気持ちもありながら、好奇心と報酬の高さに引き受ける。
人気のない夜
中の青山の裏路地にある場所で行われるという会で、僕は着飾った老若男女を目にする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-28 16:41:37
15861文字
会話率:53%
白さという呪いを課されて特別扱いされ、苦しんで生きてきた妻のことを、「私」は愛し、守って生きてきた。老いを迎えて、妻はようやく特別視されることから逃れ、無邪気に笑うようになった。平穏な家庭の中で、彼女を守る第一の味方であるべき自分の、学生時
代の秘密が瞼によみがえる。死ぬまで漏らしてはいけない秘密が。
第19回文学フリマ無料配布作品折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-28 16:10:00
4921文字
会話率:53%
生活に忙殺されるサラリーマンである「僕」は、スーツを着替えもせず倒れこんで眠っていた夜中に目を覚ます。日々の忙しさの中に忘れていたものを思い出したい気持ちに背中を押され、近くの公園に散歩に出ると、真夜中だというのに公園の中は休日の昼間だとで
もいうように多くの人で賑わっていた。言葉にならない違和感を覚えながら、「僕」は写真を志していた学生時代のように久しぶりにカメラを構える。
そして朝が訪れる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-16 01:18:55
11960文字
会話率:11%