この世界には、色鳥という神様がいる。
彼の者は自身が選んだ人間に恩寵と御名を与え、世界を作り出した。
世界を作り出した代償は重く、世界の維持には…犠牲が必要だった。
恩寵を受けし者は、色鳥から人智を超えた力と権能を与えられる代わりに、これま
での人生を、名前を、容姿を…そして未来を奪われ、世界を維持するための贄と化す。
今代の役目が終わるまで、残り一年。
浅葱は恩寵を受けし者達が暮らす「鳥籠」の世話係「籠守」に、その中でも大人しい金糸雀の専属へ任命された。
「無口で無関心だから、最低限の世話さえしていたらいい」
そう先輩に伝えられたはずなのに、金糸雀は交流を図ってきて…。
これはとある一年の、二人の少女が過ごした時間の物語。
壊れかけた世界の中心で、二人が見つけるのは互いが望んでいたものか、それとも…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-10 01:10:00
8038文字
会話率:54%