中学生になったばかりのわたし(真野春海)は、同じクラスのちょっと変わった女の子、宮瀬葵と出会う。彼女は何もない空間を指さしては、「光の輪」や「光の線」が見えるというのだ。
奇矯な言動の彼女ではあるけれど、わたしは何故か惹かれるものを覚え
る。その屈託のない笑顔や、まっすぐな言葉、澄んだ瞳なんかに。けれどクラスで仲間外れにされるのを避けるため、そのことを正直な態度として示すことはない。
ところがある日の昼休み、わたしはとうとう自分の属していた女子グループを抜け出して、彼女と友達になることに。そのことで面倒や厄介にも見舞われるのだけど、彼女と友達になったこと自体を後悔することはない。結局のところ、わたしは概ね幸せだったのである。
そんなわたしたちの前に、彼女と同じものが「見える」らしい少女が現れて――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-12 00:00:00
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会話率:37%