王太子に言われた。
「地味で、牛くさくて、庶民だから、おまえは王妃にふさわしくない」と。
私は答えた。
「わかりました。お乳、搾ってきます」と。
その日から、牛が光りだした。
牛がしゃべりだした。
牛が神になり、私は“神嫁”になっ
た。
しぼる手が、神に届くなら。
地味でも、庶民でも、
牛乳くさくても、――それがどうした。
これは、神と牛と、
“搾られる側だった私”が“搾る側になる”話。
ざまぁとか逆転とか、
そんな言葉じゃ表せない、
乳と政治と信仰のほんのりコメディ。
しぼる準備は、できてる?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 12:30:00
9180文字
会話率:43%