金井美奈子は29歳。喫茶店の店長代理として忙しい毎日を過ごしている。
仕事は忙しく、プライベートな時間は殆どない。
美奈子には書道教室の先生になりたいという、小学生の頃からの夢があった。喫茶店の仕事が早上がりできる土曜の午後は、書道の師
匠が開いている教室で子供の指導をしつつ、毛筆書写検定一級に合格する為の勉強を続けていた。
ある日、お店を閉めた後、スタッフを車で自宅に送る途中で、事故を起こしてしまった。その時に助けてくれたのは、体格の良い無精髭の一見すると取っ付き難い熊ような風貌の男性だった。
男性は事故のショックで茫然としている美奈子に代わって、二重事故防止の処置や警察への通報の手助けをしてくれたが、パトカーの姿が見えると、美奈子が礼をする間もなく、名乗らないまま走り去ってしまった。
その後、男性が乗っていた車の特徴によく似たジープ(四輪駆動車)が見つかり、熊のような男性が近くにある運送会社のドライバーである事が判った。美奈子はお礼のクッキーとコーヒー回数券を持ってお礼に行き、それがきっかけで週に一度、お店で三十分くらい話すだけという淡い交流が始まった。
お互いに惹かれあう二人。でも、男性はとある事情を抱えており、美奈子も過去の辛い経験から恋愛には積極的になれず...
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-08 13:23:46
8142文字
会話率:11%
昨日。私は一年お付き合いをしている彼からプロポーズされた。それを喜んで受けたけれど、私は彼から一度も「好き」と言われたことがなかった。彼は王国第三騎士団団長のアレク。私はただの事務官。彼はなぜ「好き」と言ってくれないのだろう。だから私も彼の
ことを――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-25 07:00:00
7536文字
会話率:46%
血にまみれ泥に汚れても、全力で生きる少女の姿は美しい。理不尽に抗いながら黄昏の世界を征く少女の、ダークアクションファンタジー。
ある所に、月の光のように儚く美しい貴族の娘がいた。故郷を追われ、付き従う家来も無く、貧に打ちのめされて腹を空
かせていた彼女は、生き延びるために冒険者となって魔物と戦うことを選択する。彼女に戦う力を与えたのは、町で偶然出会った熊のような男だった。その男や町の人々との触れ合いの中で、いつしか彼女は生きることの喜びを見出していく。しかし運命は彼女に安住の地を与えない。積み重ねた敵の屍の上を歩む彼女の道は、果たしてどこに続いているのか。
※お気軽に感想いただけると嬉しいです。
※2019/8/19/17:00 試験的に改題しました。旧題『鉄拳少女の地獄旅』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-23 21:06:29
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会話率:44%
伊勢純也は、入学式の朝に商店街で柄の悪い男たちに襲われた。それを助けてくれたのは同じ中学の柏崎五月だった。純也は彼女に一目惚れしたが、学校で彼女を見つけることは出来なかった。級友である木村俊夫に誘われて入ったパソコン倶楽部で、純也は従兄弟
の深田静香と再会する。純也の部屋で、五月の写真を見つけた静香は、五月に近づかないよう純也に忠告した。図書室に五月が現れると木村に教わった純也は、毎日図書室に通ったが、五月と会うことは出来なかった。
電算大会用のマシンの部品を買いにジャンクショップを訪れた純也は、瑞希と言う名の少女と出会う。店でバイトを始めた純也は、ついに五月に再会する。純也がバイトをしている時、必ず五月は現れた。しかし、静香にばれてバイトはクビになってしまう。隣町の展望台で純也は再び瑞希と出会い、五月が人ではないくサードフレームと呼ばれるコンピューターだと聞かされる。それでも、純也の想いは変わらなかった。
久しぶりに図書室に行った純也は、五月からの手紙を受け取った。手紙の指示通り店に向かった純也が見たのは、熊のような男と戦っている五月だった。彼女は緑色の光刀でその男を切り倒した。帰りに、純也は五月にキスをされた。試験の後、待ち合わせの場所に着くと、五月は血だらけだった。五月を家につれて帰り、着替えを済ませて出かけると、途中で静香が葵と純也を取り返しにやってきた。五月は葵に深手を負わされ、動きを止めた。見かねた瑞希は純也の記憶の一部を消した。静香は意識不明になっていた。
六年後、進学のため隣町に引っ越した純也は展望台で瑞希に会う。彼女は六年前と同じ十二歳のままだった。家に戻る途中で道に迷った純也は、細い路地で五月に出会う。その時消されたはずの記憶を思い出した。
第6回スーパーダッシュ小説新人賞応募作品折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-05 00:19:21
74187文字
会話率:50%