また、この羅城門の奇怪な話は『今昔物語集』巻第29第18にも登場する。ある盗人が、門の上で死人の髪を盗んでいる老婆を見つけ、その老婆の衣を奪って去るというもので、芥川龍之介の名作『羅生門』は、その逸話をモチーフにして創作された。作品中にキリ
ギリスが啼いている様子が描かれているから、季節は夏の終わりから秋のはじめだろうか。荒れ果てた羅城門の楼上には、死体が折り重なって放置されていたとも聞くから、さぞ無気味だったろう。
ところで羅城門は約1000年前に失われたものの、かつて楼上から憤怒の形相で都に邪鬼が入らぬように見守っていた兜跋毘沙門天像は、その後、東寺(教王護国寺)の金堂に移されたと伝わっている。今では財宝と福徳の神として信仰を集めているようだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-24 12:38:56
5219文字
会話率:12%
僕は舞台の上にいるのが好きだった。
きっと僕は本物なんて持っていない。
だから美しいにせものを演じていた。
そして観客たちは、僕が演じているものの中に、自分が見たくないものを──むしろ、見たいものを見出したのだった。
「お前は地獄に
落ちる!」
《神のいけにえは砕かれた魂》……だが、僕にはいけにえの先にあるのが地獄より良い場所だとは思えなかった。
***
昏睡から目覚めると体が奇妙に変化し、頭の歯車も噛み合わなくなっていたリース。彼の身元を引き受けたのは友人と思われる男ルシアン。
ときおり蘇る過去に牙をむかれながら、静かで風変わりな生活が始まる。
***
僕は無用の塔を建てたりしない。
罪がこれほど美しいなら、僕は悔い改めず、僕自身のまま、ただその罪に落ちていこう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-17 01:52:37
15748文字
会話率:28%
星が死ぬ夢を見た。
【sny: sen の複数形。夢、睡眠。】
取り返しのつかないことをした。だが僕は他人事のように、出来事の輪郭をぼんやりとなぞるだけだ。僕は目覚めているのか、夢の中なのか。それすらどうでもよかった。
壊れた左耳
で弟の声が囁く。
「これを直せるのは僕──でも、いったいどうして僕が直したりする?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-24 20:00:00
20701文字
会話率:22%
「そのおふだは剥がさない方がいい。凄いモノが封印されている。剥がせば……」
ハ十を越えた様な無気味な声で、その美しい女は言った。
※第4回下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞応募作品です。
最終更新:2022-12-24 22:53:40
1000文字
会話率:37%
気がつくと死後の世界に到着していた。そこは中間の世界と呼ばれ、二度目の人生への通過点にあたる場所だった。その世界の館に住む無気味な審問官の女は私の話を信用しなかった。彼女は心の奥底に眠る秘密をすべて話せという。どうしたものだろうか?
最終更新:2017-06-22 05:00:00
77146文字
会話率:53%
見え始める〔無気味な生き物〕
それは笑いながらぼくに話す。「おいらは〔鬼〕だ」と。
そいつとの出会いから、ぼくの日常にありえない〔生き物〕が跋扈し始めた。
そして起こり始める〔不気味な事件〕と〔ありえない出来事〕
それはすべて〔鬼〕のせい
。
〔鬼〕が何なのかわからないまま。ぼくの日常が壊れ始める。
(「dNoVeLs」でも同名タイトル、内容で連載をしております)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-26 12:30:19
23152文字
会話率:36%