江戸は神田本石町生まれの炮術師であった鮎原宗鉄は、持筒の火縄鉄砲を所持しながら平賀源内邸へと向かった。
そこで二度目の長崎遊学の準備を整えていた源内に自分も長崎に同行させてほしいと頼み込む。そして無事に同行の許可を貰ったとき、宗鉄は異国
の品と見られる不思議な紋様が彫られた円盤――〈シレルタ〉を発見する。
だが〈シレルタ〉に自分の血を付着させてしまったとき、〈シレルタ〉から大量の白煙が噴出して書斎を覆い尽くした。
すると源内が突如として宗鉄の大刀を用いて宗鉄に襲い掛かり、それを宗鉄は物ノ怪に取り憑かれたからだと〈見鬼〉の力を用いて看破。源内の正気を戻すために奮闘する。
だが源内に取り憑いた物ノ怪――黒坊主自身に襲われ、それとともに〈シレルタ〉から膨大な量の光が漏れて宗鉄の身体は江戸の町から消え失せてしまう。
やがて宗鉄が目を覚ますとそこは見たことない世界だった。しかもそこでエリファスと名乗る妖精や褐色肌の男たちと出会い、奇妙な紆余曲折を経てピピカ族が住まう集落に連れて行かれてしまう。
そんなピピカ族の集落で宗鉄はウィノラと出会い、自分とエリファスが異世界に導かれたのはウィノラの踊りが原因だと告げられる。
その後、宗鉄は族長から盗賊団の撃退を頼まれると、幾日か経った後に本当に盗賊団が集落に現れた。そこで宗鉄は火縄鉄砲を駆使して盗賊団を撃退する。
しかし数日後、一度は撃退したはずの盗賊団の首領だったドゥルガーがたった一人で、しかも物ノ怪に取り憑かれた状態で再び集落に襲撃を掛けてきた。
そこで宗鉄、エリファス、ウィノラの三人は互いに知恵と力を駆使してドゥルガーに取り憑いていた物ノ怪――黒坊主を〈シレルタ〉に封印して倒した。
再び集落に平穏が訪れたものの、強制的に異世界に飛ばされた宗鉄とエリファスは、元の世界に踊る手段を探すためイエラとともに集落を後にしたのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-25 20:58:27
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