世界ができ、やがて生命は誕生した。命あるものはやがて、進化をし、人と言う存在が生まれた。そして、人が知能を持ち、なお、進化を続けようとする中、ソレは、現れた。
五世紀、正確には、四百二十六年、人類の天敵、最大の脅威とも言えるソレは、大地
を破壊しながら現れた。突如現れたソレに人類はなす術なく蹂躙された。多くの土地と人命を奪ったソレを、人々は、こう呼んだ。
――「幽賊害蟲」。通称「害蟲」。
そして、四百三十五年、なすすべなく蹂躙されていた人類に希望の光が差した。「黎明の王」、後にそう呼ばれる一人の男が、「幽賊害蟲」に反撃を仕掛けたのだ。そして、「黎明の王」は言う。
「人類は、剣を持って戦うべきだ。このまま虫に蹂躙されていていいわけがない。組織を立ち上げるのだ。奴等と戦うための組織を」
そして、四百三十六年、「対幽賊害蟲部隊」。通称「ネメシス」。そう呼ばれる組織が創られたのだ。
それから百年あまりが過ぎ、「黎明の王」の再来、「漆黒の剣天」と呼ばれた神童が引退してから五年。一人の青年が「ネメシス」に所属した。名を紫雨零士。彼は、「落ち零れ」と揶揄される。これは、そんな、彼のお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-11-26 20:00:00
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