海還り、そう呼ばれる不思議な風習が根付く迎海島(げいかいじま)。その島では盆の時期を迎えると死者の姿が見えるとされていた。その理由は科学的に証明されてしまい、一時期の語り草になった程度で廃れていくだけの小さな島だった。
そんな島を故郷に持つ
青年、松野 慧はこの海還りが億劫に思っていた。幼馴染の坂口 千春の幻影が何時までも見えない慧はその理由が分からないまま深い葛藤と苦しみを抱き、苛まれていた。
そんな時、もう一人の幼馴染、吉田 誠と再会し、彼を取り巻くひと夏の一日は、大きな影響を与える一日へと変わっていく。
これは人を思う物語。生きていく上でキミが何時か向き合わなければならない大切な事。それは無情にもやってくるものだから。それを受け止めて認めて前に進むための物語。
辛くても進むべきとした道を選んだ人の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-14 15:00:00
17979文字
会話率:49%