黄金の果実がある限り、人々は魔物に怯えずに暮らすことが出来る。神と天使と聖樹という三位に守られることにより、人の世は安定する。その信仰と聖域の上に勇敢の国は成り立っていた。
果実を守るために、天使の授けた赤い翼として、不死の特徴を持つ「
勇敢の剣」と呼ばれる聖女カタナは身体の損壊と回復を繰り返しながら百年の寿命を目指して戦い続ける。それは彼女にとって、果てしなく続く血塗られた日常。その役目から逃げ出さぬ動機は非常に純粋なものだった。
――ただ、何事もない百年を。
しかし、そんなカタナと果実のもとに絶望の影は忍び寄る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-12-27 20:00:00
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会話率:30%