文化祭の熱気も冷めやらぬ放課後。彼女はいつにもまして上機嫌だった。彼女の思いがようやく一つの確かな結論になってそれをすることができるのだ。
いつもの猫かぶりも今日はその完成度を上げていて彼はへの視線はいつもの倍だった。明るいその雰囲気が嘘か
ら真実になった証拠だった。でも本音はいつにもましてある一点にしか向けられていなかった。極端な生徒ばかりの定時制高校らしい、彼女は事に熱を持ってしまうと一つの事しか考えられなくなってしまう。彼のことを一日中彼女は見ていた。はやく彼に全てをぶつけたい。その情景を思い浮かべるだけで身体は熱を持って余計に思考が彼の事で占領されてしまうそんな午前だった。そして、やっとの事でそれが叶う。
静かな教室で友達と別れて、彼女はすぅと深い深呼吸をした。長い、ゆっくりと肺から空気を抜いてついでにこれから邪魔になるものを全て出し切る。彼の事だけを考えられるように。出し切ればもう一度吸って今度はこれから先の事を内に取り入れていく。ゆっくりと、終えて、彼女の準備は調った。
「楽しみだわ。彼はどんな反応をしてくれるのかしら」
自分の席から立って、京姫は教室を後にする。校内のどこかにいる彼を見つけるために。
「ヤンデレじゃないわよ。彼の事を少し考えすぎるだけ」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-01-07 22:37:20
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