まっ、取り合えず出来たところまで投稿して再度中断だな。そして次の再開はひな祭りの日にしておこう。
最終更新:2025-02-12 12:00:00
1352文字
会話率:0%
喧騒の校内
同級生達と他愛無い会話をする、休み時間の廊下
窓辺に佇む彼は丸で一枚の絵画のようだった
寄り掛かる窓枠を額縁に
窓硝子に架かる中庭の木木を背景に
其処だけ、彼だけ、全てが止まっている感覚
そんな時間の中で彼は一体、何を思って
いたのだろうか
※ 本来の古の設定とは大きく逸脱している事をご了承して頂ければ幸いです折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-02 19:36:00
75969文字
会話率:44%
喧騒の校内
同級生達と他愛無い会話をする、休み時間の廊下
窓辺に佇む彼は丸で一枚の絵画のようだった
寄り掛かる窓枠を額縁に
窓硝子に架かる中庭の木木を背景に
其処だけ、彼だけ、全てが止まっている感覚
そんな時間の中で彼は一体、何を思って
いたのだろうか
※ 本来の古の設定とは大きく逸脱している事をご了承して頂ければ幸いです折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2021-12-14 22:48:09
109169文字
会話率:34%
ビルの窓から眺める風景。
真正面に見える街路樹の枝は、夏には力強い青々とした葉をつけ、秋には淡い黄色い葉になります。冬は葉の代わりに霜や雪で化粧をして、そして春には、淡いピンクの花びらをつけます。
それは、こんなコンクリートの建物が並
ぶ都会の中でも、四季を感じられ、情緒があります。
東京という土地は、周りの街並も慌ただしく姿を変え、形を変えてとしていくけど、この事務所はコンクリートや配線が剥き出しで、昔の姿のまま、時間が止まっているようにも感じます。
あくまでも、原色の赤いソファを除いてですが。
そう、ここは、アルクィン拝み屋探偵事務所です。
所長と、職員が二人だけの、総本山からすれば小さな小さな祓い屋です。
わたしは窓から外を眺め、彼女に色んなことを教えていきます。
「あれ見て、渡り鳥だよ。あの方向は臨海の方に飛んでいくのね。まだ少し寒いから、夏に成ったら見に行こうね。それより、八重洲口の桜がもうすぐだから、先にそっちを見に行こうね」
そう言うと、彼女は心なしか喜んでいる様子でした。
わたしは鼻歌を交えながら、その窓から、変わりゆく街並みを眺めていました。
そこで足音が聞こえ、わたしは慌てて彼女を消します。
古びれた音を立てて扉があき、所長が戻って来ました。
「おい、今、あれを出していただろ!」
そう怒り声を上げる所長の脇をすり抜け、わたしは逃げていく。
所長は長い黒髪をなびかせながら、追ってきました。
必死に逃げる、わたしの名は、折坂………、うわっ、捕まった!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-22 12:17:47
44281文字
会話率:26%
和風恋愛ファンタジー × 継母(新しい家族)
天宮家は天女の末裔。天宮家の娘を花嫁として迎え、子を成すと、その一族は繁栄を極める。天宮家の娘が嫁ぎ先で子を産むと、その子は「才華」と呼ばれる異能の力をもって生まれ、一族を率いる存在となるから
だ。
ゆえに天宮家の娘を花嫁として迎えること、そして夫として認められることは男たちの誉れであった。
天宮家の長女として生まれた椿も、「天宮家の花嫁」になれるはずだった。
だが今年で二十歳になる椿には、花嫁の資格がない。椿の体は、十年前から成長が止まっているからだ。
代わりに両親の期待を受けて美しく成長したのはの二つ違いの妹、牡丹。椿の許嫁の男性も牡丹を妻に選んでしまった。
虐げられる椿に思わぬ縁談が舞い込む。その男は人間ではなかった。幽世から来た鬼、羅漢。双子の男児を残して妻に先立たれ、二人目の妻が必要なのだという。天宮家の厄介者でしかない椿は現世では死んだことにされ、羅漢への嫁入りは決まってしまう。それは婚姻という名の追放だった。
椿は幽世へと連れて行かれ、羅漢の二度目の妻、そして鬼の双子の継母となる。戸惑いながらも鬼の妻として、そして鬼の子の継母として奮闘する椿は、いつしか夫からも子どもたちからも愛されるようになり……
天女の末裔でありながら虐げられていた椿の幽世嫁入りファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-12 12:33:56
29737文字
会話率:52%
「yureru」揺れてるよ 僕ら揺れている 地面はしっかりと止まっているのに なぜだろう 「虫」目の前に虫がいる 黒い小さな虫だ
キーワード:
最終更新:2025-01-02 20:00:00
314文字
会話率:100%
大正時代(風?)の東京で、女学生が友人や知り合いから持ち込まれる謎を解いてゆくミステリーです。連作短編。
※ 明治維新で歴史の知識が止まっている作者なため、やや史実と違う部分もあると思いますが、その辺はゆる~く見てください。大体、大正8年く
らいを舞台にしています。登場人物達は軽いノリですが、文体はやや硬めです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-31 21:00:00
48005文字
会話率:49%
しっかり者だった母も老いて、認知症を発症する。外で仕事をして、家で母の介護をする日々。疲れ果てたあたしを笑顔にした母の意外なプレゼントとは。
最終更新:2024-12-20 21:53:49
555文字
会話率:53%
見渡す限りの無数の本。宙に浮かび上がる本棚。
そんな空間で藍沢清香は目にハイライトが無い美女ハクレイと出会う。
ここは世界の狭間にある幻想図書館。
「アイザワ・キヨカ。貴方はこれからストーリーテラーとなって頂きます」
何もわからない状
況の中、清香はぶっきらぼうなクソ上司レイドと共に1冊の本の中へ入り込むことになる。
「幻想図書館には無数の本が存在するがそのほとんどは未完結で止まっている。俺達ストーリーテラーは本の世界へ降り立ち、物語の完結へ導くんだ」
これは独りぼっちだった清香がストーリーテラーとなり、クセの強い登場人物達と共に未完結から完結へと執筆する物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-25 21:20:00
61056文字
会話率:57%
「お父さんは小さくて可愛いわね。」
「……僕のこと、ペット扱いしてない?」
10年ぶりに再会した娘、シャーリアは魔族でAランク冒険者で永遠の美貌を持つ、最強の美少女。
一方で父親のピオは、外見年齢も精神年齢も大体10歳で成長が止まってい
る、無職のショタ。
娘に養われて守られて撫でられて、父親の尊厳はもうボロボロ。果たしてピオは、再び父親としての役割を果たせるのだろうか?
『純血教会』。それは人類の純血と亜人の絶滅を教義に掲げる人類の守護者である。その教会の担い手は、10歳前後の第二次性徴前の姿をした、不老不死で不滅の再生力を持った超人たち、『司祭』だ。
司祭であるピオ・コンティは、処刑を命じられた亜人の赤子を殺せずに助けてしまい、更には娘として育ててしまう。
しかし8年が過ぎたある日、ピオは娘を逃がすために教会の追手に捕まり、親子は引き裂かれる。
そして10年の歳月が経ち、幼い姿のまま拷問を受け続けるピオに、転機が訪れる。
崩れる壁、鳴り響く雷鳴……監獄を襲撃したのは、強く美しく成長した娘、シャーリアだった。
娘によって外へと連れ出されたピオは、10年間の空白を埋めるべく再びシャーリアと共に二人で生活することになるのだが…
大人になれなかった父親と、子供でいられなかった娘。そんな凸凹コンビは、平穏な生活を手に入れるために、狂信者やマフィア相手に大暴れする!
感想をいただけると励みになります。誤字脱字報告、ルビを振って欲しい漢字などございましたら、ご指摘ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-20 22:12:34
49445文字
会話率:43%
普通の人生を送る宮下麗香は、家出少年を飼っている。少年の名前は門倉冬美。埋め込まれた呪いによって少年の姿のまま成長が止まっている。
少年でありながら少女のような可愛い容姿を持つ門倉冬美を宮下麗香は溺愛し、そんな彼女を嫌がりながらも、門
倉冬美は決して離れない。
ほんの少し変わっていて、時々甘酸っぱい二人の生活。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-02 12:17:16
23048文字
会話率:66%
第1章 仮面の男と和服の少女
いつもと違う角を曲がる。
路地を一本入るだけで古びた家屋が立ち並びその場所だけ時間が止まっている感覚に襲われる。
ふと前を見ると和服の子供がこちらを見ている。
こちらが気づいて微笑みかけると手招きをする少女、
それにつられついて行くと時代を遡るかの様に町の雰囲気が変わる。
少女に問いかける。
どこまで行くの?少女からの回答がない。走って駆け寄るにも一向に少女との距離が縮まらない事に気づく!
しばらく歩くと広い空き地にでる。
ベンチに座っている若いお面をかぶった若い子男性がこちらを見て近づいてくる。
やぁ!迷い子かい?男性は尋ねてくる。
この子について来たら、この広場につきまして。ちなみに此処はどこですが?〇〇町にこんな空き地あったんですね?
(お面男は言う此処は〇〇町ではないよ。ん〜とても難しい質問だね)
え?じゃここは??
(お面男)そう焦る必要はない!君は選ばれた!光栄な事だよ。
困惑する男性(何に選ばれた?光栄?)状況が読み込めない。
(お面男)すぐわかるよ!今日は元の世界におかえり。
お面男は指を鳴らす。
すると男の視界が暗転する、気づけばいつも見る交差点に立っていた!あの広場は?お面男は?少女は?選ばれた?
その事実だけが男に突きつけられた!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-22 21:44:49
529文字
会話率:0%
鈴乃絆はボカロPとして活動していたが、最推しのVTuber「高楼しじみ」が突然事務所を卒業し、絶望の中で日々を過ごしていた。絆は彼女の配信を通じて救われ、彼女の存在が生きがいとなっていたため、卒業後は何も手につかない状態に。しかし、ある日出
かけた絆は、偶然にも「高楼しじみ」の中の人である一宮瑠璃と出会い、彼女とお茶をすることになる。
カフェでのお茶の時間、絆は瑠璃が「しじみん」であることに驚愕しつつも、彼女への想いを語り始める。その中で、二人は音楽ユニットを組むことを決意し、「CHIKUWAMUSSEL(ちくわまっする)」という名前のユニットが誕生する。絆は、かつて憧れていたしじみん=瑠璃を、大きなライブに連れて行くという新たな夢を胸に、音楽界での頂点を目指すことを決める。
作者です。まずは開いていただいてありがとうございます。そして、レーシング・ドリームの更新が止まっていることを深くお詫び申し上げます。今はスピンオフを少しずつ書いていますので、こちらの作品をお楽しみください。
話は変わりますが僕も今年の俗に言う卒業ラッシュで最推しが事務所を卒業して絶望した人間の1人です。誰がとは言いませんが彼女はまさしく絆にとっての「しじみん」のような存在でした。本当に今までありがとう。そして、お疲れ様。
それではどうぞ、お楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-03 18:00:00
15623文字
会話率:47%
幼い頃から母と2人で暮らしていた少女がいる。
金色の髪に雪のように白い肌。少女は純粋で優しく疑うという事を知らない。
ある日大好きなおばあちゃんの体調が悪くなりお見舞いに食べ物と飲み物を持って出かけた。
大好きなおばあちゃんがくれた赤い頭巾
をしっかりと被り、少女は笑顔で母に手を振り家を出た。
おばあちゃんの家へと向かう森の中、ふと脇道をみると綺麗な花畑がそこにはあった。
色とりどりの花たちをみつけ少女は嬉しくなり思わず笑みが溢れ、少女は脇道に逸れ花畑の方へと歩みを進める。
ふと花畑を見つめるとそこには1人の男がいた。
こんな森の中に人がいるなんて珍しい。そう少女は思いながらゆっくりと歩みを進めていく。
そして男の姿がはっきりと見えた時少女小さく驚いた。
花畑に立っている男には獣耳と尻尾が生えていた。
少女は驚きその場に立ち止まっていると、気配に気づいたのか男は少女の方へ振り向いた。
短く黒い髪に狼のような耳、体格はガッチリしており背丈も大きい。
少女と目が合うと男は少し驚いたような不思議な表情をした。
この出会いが2人の人生を大きく変える出来事になるとはまだ知らず
少女は唇をひらいたーーー
*赤ずきちゃんモチーフではありますがほぼ序盤だけ。
基本的にはほのぼの〜シリアスな感じだと思います。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-22 07:14:26
28157文字
会話率:24%
仲良し夫婦が、前世と同じ世界に転生して再び出会う話。
※ただし、妻の記憶は一番険悪な仲だった頃で止まっている※
かっこいいヒーローなんて居ません。ヘタレでうじうじしてます。女々しいし、大分愛が重そうです。
キャピキャピしたヒロインも
いません。多分好きになったら一途ですが、ヒーローとは、序盤は究極にギスギスしてます。
主要キャラクターはヒーローとヒロインだけなので、他キャラは存在だけ覚えてくださったらそれで十分お楽しみいただけます。ヒーローとヒロインの名前だけ(前世も転生後も)完璧に覚えてください。お願いします。
あと、過去回想が長めです。半分くらいそっちがメインのつもりで書いてました。
視点がコロコロ変わります。ヒーローがやや多くなってます。事情全部知ってるのがヒーローなので。
1話につき2000字前後で、30話未満で完結予定です。
キーワードの「飛び降り」と「交通事故」は、自衛していただきたい思いでタグ付けしてます。それぞれ、描写としてはあっさりめだと思ってます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-27 00:00:00
54019文字
会話率:32%
男は子供の頃に行った不思議な場所で死んだ。
その日世界は無限のエネルギー生産技術が発表され大変革が起こる。
その事を知らない男は夢で変革した世界の悲惨な未来を見ることになる。
その未来を阻止するため男は変革の立役者である1人の人間と
関わっていくことになる。
壮大な感じもしますが日常ものです、基本一対一の会話のみだと思います。
筆者は凄く気が変わりやすいです。思い切りでやっています、続けていきたいと思うが別作が1年くらい止まっているのでその時はその時です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-16 03:30:00
20314文字
会話率:60%
魔法が普及しているが文明はスチームパンクで止まっている世界に転生した配信者は、その世界ではクルツと呼ばれ、優れた魔法の素質によってギルドから魔術師のジョブを与えられていた。
ある日クルツは所属したギルドで、魔術師の絶対数が不足していることか
ら全国中に依頼が出ている魔術師の広報依頼に目が留まる。
元配信者であったクルツは幼馴染で、見たものをそのまま周囲のガラスに映す投影という特殊な魔法を使えるリタと共に、この世界で初めての配信を行う決断をする。
果たしてその配信の効果はいかに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-04 20:35:14
5280文字
会話率:30%
「アハハ、何これー!」
「ん?」
今日も用事もないのに、何故か俺の部屋でゴロゴロしている幼馴染の沙也が、唐突に大笑いした。
「何だ? 何か面白いもんでもあったか?」
「これこれ、見てよ功輔!」
沙也に差し出されたスマホの画面を見る
と、そこには時間を止める能力を手に入れた男が、女性にあれこれエッチなことをするという内容の、エロ漫画の広告が流れていた。
「これのどこが面白いんだ?」
「えー!? メッチャ面白いじゃん! そもそもまず唐突に時間を止められるようになるのが意味不明だし、仮に止められるようになったとしても、それでいきなりエロいことに及ぼうとするのも、思考回路ブッ飛んでるじゃん!」
「そうか? でも、エロ漫画ってそういうもんだからなぁ。整合性を求めるだけ、野暮ってもんだぞ」
「……へー、随分エロ漫画に詳しいんだね功輔は。まあ、功輔も思春期の男子高校生だもんねー。そっかそっかー、うんうん」
クッ、いつもそうやってからかいやがって!
……何とかして沙也に仕返ししてやれないものか?
「……!」
その時だった。
立って部屋から出て行こうとしたまさにその刹那、壁に掛かっているアナログ時計が止まっているのが目に入った。
ああ、また止まってる。
この時計は最近調子が悪く、たまに止まってしまうことがあるのだ。
……あ、そうだ。
ここは一つ、これを利用して――。
「ほえ? どうしたの功輔?」
俺はその場で、パントマイマーみたいにピタリと身体を止めた。
これぞ、時間が止まったフリ!
「おーい功輔? 功輔ってばー?」
俺の顔の前で手をブンブン振ってくる沙也をガン無視して、尚も時間が止まったフリを続ける俺。
さて、沙也はどんなリアクションをするかな?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-05 21:02:10
3858文字
会話率:41%
私、ザーリア・シュタインは「元」伯爵令嬢。いまは何でも屋【白銀の狼】に所属し、ちょっとした小遣い稼ぎをしている。ある日、私の生家であるシュタイン伯爵邸に立派な馬車が止まっているのに驚いて立ち寄ると、従妹のメイヤ・シュタインが身なりのいい男
から求婚されているところだった。
しかもその男は私を見た途端「ようやく会えた、俺の初恋の人」だなんて言い出して……。
そういえばどこかでこいつの顔を見たことがあるような……って、まさかおまえはあの「泣き虫ジョン」? それに皇太子ってどういうことなんだ?
初恋を成就させたい皇太子殿下と、「元」伯爵令嬢の娘。溺愛レベルが最高値を常に更新し続ける愛の重たい男が、初恋を搦め手から成就させるまでの闘いの記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-21 18:00:00
14408文字
会話率:42%
人の技の歩みは常にある。古代とてそれに変わりはない。現代から見れば、実に緩慢で止まっているかのように見えたとしても、それは確実にあった。
最終更新:2024-03-16 21:14:45
5155文字
会話率:0%
立派な魔法使いになるという夢を抱えながら、アリーシャは具体的な将来を何一つ見据えていなかった。師匠であり、命の恩人であり、たった一人の家族であるゼファーに甘え続け、特に代わり映えしない幸せな日々を謳歌していた。
しかし、十六回目の誕生日。
彼女の幸せも何もかも、一夜にして全て奪われた。
かつて魔法使いゼファーによって倒された闇の魔法使い……その配下の襲撃。アリーシャは魔法使いとして敵を倒そうとするが、全く刃が立たない。そしてあろうことか、手も足も出ない彼女を庇ったことにより、ゼファーは石化の呪いに侵されてしまった。
目の前で石になっていくゼファーを助けることも、一人で敵を倒すこともままならない……最後まで頼り、甘え、その果てに逃がされた彼女は、途方もない無力感に苛まれる。──そんな彼女のポケットの中に、ゼファーからのプレゼントである指輪と、手紙があった。
『いずれお前は、夢のために一人で旅に出るだろう。辛いこともあるだろう。その時は、この指輪を見て儂のことを思い出して欲しい。一人ではないことを、お前の家族は同じ地面を踏んで今日も生きているということを』
立ち止まっている場合ではない、ここで蹲っている場合ではない。
この踏み出しに「いってらっしゃい」が無いとしても。
帰ってきたその時に「おかえり」を取り戻せるように。
「いつかなるじゃなくて、今すぐなるんだ! ゼファーを助けられるような、強くてかっこいい魔法使いに!」
彼女は、旅に出る。
自分の夢を叶えるために。そして、たった一人の家族を取り戻すために。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-09 12:06:06
77808文字
会話率:44%