時は22世紀。
急速に進行した温暖化によって地球環境は破綻し、総人口2億人を切った人類は比較的低温な南極地方へと移住した。
人類はその地で『箱庭』と呼ばれる城塞都市に身を寄せて暮らしながら、治安が悪化しつつあるこの時代を生き抜こうとし
ていた。
軍人として治安維持の任務に勤めるセナ・ヒイラギは、故郷を逃げ出して追われているという白い少女──イヴを突然ながら匿うことに。
彼女と行動を共にしながら、やがてセナはイヴの過去、そして"記憶"を失っているというイヴの謎へと迫っていく。
※「◆」マークのついた回は百合強めの展開ありです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-08 21:05:22
65271文字
会話率:32%
かつて極北の地に、一つの王国があった。人々はオキアミと海獣を主食とし、氷の家に住み、独自の文明社会を営んでいた。とりわけ王侯貴族たちは民の生活の指標たる"生きた時計"であることを誇りとし、この世の秩序を乱さぬため、定め
られた時を刻んだのち自らの心臓を貫いて生を終える仕来りであった。
蒸気船と近代兵器で武装した侵略者によって王国が無残に滅ぼされてから二百年あまり、生き残ったわずかな王国の末裔の中に、いまだかつての風俗を頑なに守り続ける一族がいた。彼らは何世代にもわたり、国の差別と抑圧を耐え忍びながら、ひたすら予言された王国の死と再生の瞬間を目指して、時を刻み続けていたのだった。
ついに間近に迫った運命の時を前に、一族の最年少である少年セイムは、儀式をめぐる姉と父との確執によって家族が引き裂かれるのを目の当たりにし、どっちつかずのまま途方に暮れていた。彼は助言を求めるべく、行方不明になっていた祖父の消息を追い求めるが。
惑星規模で展開される架空文明ファンタジー、ここに開幕折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-10-01 08:11:38
1213文字
会話率:0%
天才科学者【マシヤ・シェヒナー】の生みだした夢の万能エネルギー【EVA(命)】。だがそれは地球を破滅させる切っ掛けとなってしまう。暴走するEVAプラントから生み出された異次元渦【ウォール】は光すら飲み込む不可侵領域となり、ウォールに巻き上げ
られた水蒸気は極地方に氷河期をもたらす。その滅びの病に冒された地球に住む人類が生き延びる為に始めたのは第三次世界大戦だった。
――そして数々の不可解な事件や事象を乗り越え、僅かに生き残った人々が死にものぐるいの努力をして地球を復興させてから38年が過ぎた。ようやく以前の暮らしに近い生活を取り戻す事ができ始めた時、人々の暮らしの影で封じられる事の無かった旧支配者たちが再び甦ろうとしていた。
――主人公の小碓蒔梛は17歳の高校二年生だ。
戦災孤児である彼女は持ち前の才能で周囲の注目を浴び、ファンクラブまである地元のアイドルだった。しかし、その人気が過熱し暴走した結果、とある事件に巻き込まれてしまう。大勢が死傷する事となった事件のせいで彼女の評価は一転し、戦災孤児である彼女を中傷する噂に苦しめられる。彼女の唯一の味方は同じ孤児院で暮らす親友の栗山理恵だったが、理恵の思い人であり蒔梛の幼馴染みでもある櫟章吾が蒔梛を庇って傷ついたせいで理恵は蒔梛を憎むようになる。学校と施設、どこにも居場所が無くなってしまった蒔梛の元にある日、一通の手紙が届く。そこには蒔梛の祖父である人物が死去した事と、その財産である世界的に有名なエリート校である『わだつみ学園』を蒔梛に譲る旨が記されていた。
これは某所で発表した「ダイバー」の続編の話になります。
「デウス エクス マキナ」短編でも楽しめるようにしておりますが、前作の続編という構成上、序盤での説明が多少過多になっている事をご了承下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-09-01 15:22:27
166171文字
会話率:55%