あらすじ
ユルダン女学園の高校生6人がゼミ合宿で、鎌ヶ谷の梨畑に囲まれた古い宿を訪れる。
主人公の福沢裕美は、その合宿をひそかに心待ちにしていた。
それは、1学年上の憧れの先輩小笠原まきえと、久しぶりに時間を共にできるからだった。
——春
の終わり、桜の舞う校庭で差し出された手。
「スールになりましょう」と囁いたまきえの声は、遠くの鐘のように澄んでいて。
その瞬間から裕美にとって、まきえは"光"となった。
誰にも気づかれなかった裕美の小さな痛みに、まきえだけが静かに目を留めてくれた。
スール——姉妹という絆の名のもとに、ふたりの世界は優しく重なっていた。
だが、合宿2日目の朝。
まきえが姿を消した。
鍵のかかった部屋、乱れたベッド、机の上には「ユミ、ごめんね」と震える文字で書かれたメモと、腐りかけた梨の実。
まきえは自らいなくなったとされ、合宿は打ち切られる。
だが裕美は納得できなかった。
あの人が私に「ごめん」と言うわけがない。伝えたい言葉は、きっと別にあったはずだ。
裕美は、クラスメイトの島津ちはるとともに、まきえの行方を追い始める。
梨畑に伝わる“実を結ばない木”の伝説、消えた地元の少女たちの記録、夜な夜な聞こえる「見たでしょ」という声。
夢の中、白猫とともに立っていたのは——まきえに、よく似た“誰か”。
そして裕美は気づく。
この梨畑は、ただの果樹園ではない。
ここには、誰かの記憶と、声と、悔いと、祈りが根を張っている。
そして“選ばれた者”が、迎えに来る。
スールの絆は、生と死の境を越えられるのか。
裕美はもう一度、あの日と同じように手を伸ばす。
その手が掴むのが、人のぬくもりか、それとも“別の何か”かも知らずに——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 16:48:11
7211文字
会話率:21%
Y染色体の存在しない世界…つまりオス、男性が存在しない世界。
なぜそんな世界が生まれたのか、この世界の中でどんな物語が繰り広げられるのか!?
現在の日本国は科学技術の発展により都市開発が進み、東京・神奈川・千葉・埼玉そして
山梨の一部
が合併し新たな首都『NEW TOKYO CITY』通称"東都"となった。
山梨県山奥の高校からの転校生 不動 魔法(ふどう まほ)。彼女は山梨の実家から
東京のど真ん中にある大日大聖(だいにちだいしょう)大和撫子(やまとなでしこ)女神(にょしん)女学園(じょがくえん)高等学校に、なんと毎日徒歩で通っている。彼女には彗星のごときスピードと鋼のメンタル、ヒグマを吹き飛ばすフィジカルを持つという秘密(?)があるが、おしとやかで可憐な高校生活を送ろうと努力はしている…らしい!
マホを中心に繰り広げられる新時代SF学園少女バトルファンタジー 起動!!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-14 23:14:24
3490文字
会話率:63%
梨の実を落とす話が表なら今回の話は裏になります。
最終更新:2020-11-18 00:00:43
385文字
会話率:0%
貴方は気がつくと地面に立っていて、何か音のする方へ歩いていた。
すると木の上には子供がいて不釣り合いなものを手に持ち、梨の実を一生懸命木から落としていた。
現実味がなくて夢見たいなところだった。
最終更新:2020-10-23 23:56:57
360文字
会話率:0%
『またいつか、きっと会いに来るよ』
それはほんの短い間の他愛もない出来事で、ほんの些細な約束事。だけど彼は確かに初恋であり、彼の告げた言葉は絶対的なモノとして、ずっと記憶に残り続けた。
それは、とても強い感情だった。今でもしつこくこの心を、
身体を、縛り付けて離さないくらいに――……。
昔通っていた保育園に、保育体験という名目で再び足を踏み入れた中学生の楠木晴菜は、そこで働く保育士の寺本陽平という青年と出会う。
一目見たとたん、彼女は思わずその姿に釘付けになってしまった。
だって……彼はかつて保育園児だった晴菜が出会い、記憶に残るほどの強い恋情を抱いた少年そのものだったから。
幼少期の初恋と時を超えた再会から始まる、梨の果実のようにほんのり甘い(はずの)恋物語。
※『星空文庫』『カクヨム』に転載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-02-25 02:18:46
54103文字
会話率:30%