高校三年生の、月野里桜と星浦拓斗はS級と呼ばれる部類の美女と美男だ。
出会うことのなかった二人は、同じ時間、同じ電車の別の車両で痴漢に合う。
駆け込んだトイレで、手を綺麗にするけれど……。
あの感触だけは、消えないまま。
遅刻するとトイレを
出た瞬間。
触れた手を掴んでしまう。
あの感触をこの手の感触にすり替えてしまいたい。
もうすぐ学校に着く所で、拓斗は里桜の手を引いて家に連れて行く。
訳があってお互い恋愛経験のない二人だけど……。
互いに嘘をつく。
チグハグな二人の恋が今始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-05 00:30:00
3897文字
会話率:35%
大切な人を亡くした。それ以来、死の原因である桜の花には一切目を向けていない。そんなある日、彼女の家で見つけた自分宛ての手紙に、想像もできない彼女の桜に対する想いが記されていた。導かれるままに訪れた桜の木の前で自分は何を想うのだろうか。生命の
本質を自然と照らして探究する一作。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-02 17:06:58
3094文字
会話率:36%
始まりは春。高校二年生になる逆須木黒途はあるものに想いを寄せていた。それは『桜の木に生えている腕』だった。次は夏。悪食に気に入られている彼は猫を拾った。それは悪食が唯一食べられないものだった。次は秋。彼は愛の言葉で黒く塗りつぶされたラブレタ
ーを貰った。それは彼のよく知る筆跡だった。次は冬。彼は大切なものを奪われた。それは彼をもう一度壊そうと笑う。霊感を少しだけ持つ逆須木黒途の一年を語る話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-05-02 19:10:54
16668文字
会話率:41%