※武頼庵(藤谷K介)様主催『24夏のエッセイ祭り企画』参加作品です。
これからの季節、よく見聞きする『ブドウ狩り』『梨狩り』。
フルーツの収穫なのに、ケモノ偏の『狩』の字が使われるのはどうしてなんでしょうか。
最終更新:2024-08-10 07:44:46
1635文字
会話率:19%
信州の田舎に住む長田 治彦(おさだ はるひこ)は、祖父、丁次(ちょうじ)と二人して松茸狩りに出かけた。
先祖より代々受け継いできた、松茸が異様に採れる秘密の猟場を教えてくれるというのだ。
そこは女人禁制として知られる霊山のなかにあった。深く
分け入り、次元を越えた先には『行者転ばし』と呼ばれる窪地があり、たしかに立派な松茸が所せましと生えていた。こんな光景はお目にかかれるものではない。
しかし窪地には、いつの時代のものかすら定かではない人骨の山が築かれていた。足の踏み場もないほど、松茸に負けず散乱していた。
丁次いわく、『行者転ばし』には身の毛もよだつ歴史があるのだという。松茸は殺された人々の怨みと呪詛、人骨の栄養素まで吸い取って生長しているかのようだった。
たしかに星の数ほどの松茸を摘み取ることができた。これだけあればかなりの稼ぎになるはずだ。
丁次はさらに言うのだった。
じつは松茸以上のお宝が、ここから先にある『入らず山』の神域に眠っているという。
「いまからそこに潜入する。この獲物さえ採ることができたら、おまえは一生安泰だ。多少危険がつきまとうが、それに見合うどころか、ありあまる財産を築くことができるはずだ。それは――不老不死の秘薬となるモノだ」
とはいえそこは恐るべき魔所だった。しかも禁断の山には山姫がうろついていたのだ……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-10 15:00:00
151346文字
会話率:20%
経理部の外村《とむら》と営業部の前島《まえじま》は、同期入社だ。
所属先が違っても、外村が1人で残業していると、ひょっこり前島が現れて、食事や飲みに誘いに来る――そんな仲だった。
あの日、2人で松茸狩りに行くまでは――。
最終更新:2018-12-06 01:00:00
7895文字
会話率:43%