登場人物
ルシアン・ リール ・ソルスティス王子
ソルスティス王国第三王子 18歳
近侍フィン・アミ
ルシアンの2つ上の有能な側近にして、幼馴染の高級官僚の息子
公爵家長女 アスタシア・グラナート
ルシアンの許嫁 18歳
聖女 セシ
リア・アーデ
市井出身の聖女。いわゆるヒロイン 18歳
第三王子ルシアン・リール・ソルスティスの胸には、重苦しい沈黙が広がっていた。
(刻限は迫っている……)
明日の卒業パーティー。そこで彼は、社交界の華と謳われる公爵令嬢アスタシアとの婚約を自らの手で断ち切り、清廉な魂を持つ聖女セシリアとの新たな絆を結ばなければならない。
公爵令嬢との決別。聖女との婚約。その先に待ち受けるのは、希望の光か、それとも更なる試練の闇か。
ルシアンに、否応なしに運命の時間は刻々と迫っていたのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-08 18:39:41
5565文字
会話率:54%
リュシカ=フルフォールは魔王である。それもただの魔王ではない、勇者を殺した正真正銘の英雄である。しかし、そんな彼であったが致命的に人望がなかった。あるのは勇者を殺した功績のみで、戦争に参加した経験もなければ、社交の場に出席した経験すらないの
だ。つまり、下賤な生まれだったのかといえばそういう訳でもない。正真正銘の魔王の血統を継ぎしものであり血統証付きの魔族であった。では何故、こうも経験がないかと言えば、絶望的に引きこもりだったのである。それを知っている上級魔族たちは当然リュシカには従わない。従うのは下級・中級の魔族たち。勇者に滅茶苦茶にされた魔界を立て直すには、戦力が足りなかった。
そんなある日、リュシカは上級魔族たちからの人望を得るため、人間の国を一国だけ攻め滅ぼすことを決意する。とりあえず王を殺せば国が滅びると考えたリュシカは、勇者の振りして王の暗殺をするとういガバガバな計画を企てるのであった。幸か不幸か人間界で奇跡的に勇者だと勘違いされたリュシカであったが、それが不幸の始まりでもあった。人間たちに感謝され、徐々に欲しくもない人望を得ていくのだ。人間に感謝されるなど、リュシカにとっては屈辱でしかない。しかしリュシカは、人間界においても英雄としての道を突き進むことになる。
これは無能な魔王が覇道を歩んでいくサクセスストリーである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-22 22:30:58
67476文字
会話率:46%