※最終話まで用意済み
※更新一回ごとに一章まるごと掲載
前世を思い出した。
妻と並んで今年から学生寮に入ることになった娘を見送っていた時のことだ。こんな科学技術全盛の時代に思い出したのは、とても現代に続くとは思えない過去のこと━━剣と魔術
と、竜の物語だった。
「思い出しましたか」と妻は言った。それでようやく確信した。『ああ、この記憶は、本当にあった俺たちの前世なのだ』と。
だからまあ、もう過去の物語だけれど。今はもう、幸せな結婚生活まで送っているけれど。
俺たちがなにを経てここに立っているのかを、ちょっとすり合わせてみよう。
これは、俺が竜に呪われて、現世で『竜だった人』と結ばれるまでの話。
千回生まれ変わった俺と彼女と、呪いの話だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-27 06:00:00
248420文字
会話率:17%