ある辺境の地の森の中、1人逞しく生きる少年がいた。 彼は地球という星からこの地にやってきた、いわゆる転移者であった。 やってきた当初は所謂ラノベの主人公、チートでウッハウハなんて、夢想もあった。 ところが、だ、チートなんてない。 魔力らし
きものはあるが、魔法なんて見たことない。 それどころか、人すら見たこともない。 そもそも、彼は神様に突然あの世に連れて行かれ、この星を救ってくれ!と頼まれた訳でもなく、とある国のお姫様に勇者として召喚され、魔王を倒してください!と言われた訳でもない。 唯の『図らずも偶然世界を超えちゃった系男子』なのだ。 チートを諦め、日々逞しく暮らしていたある雨上がりの日のこと、彼が日課の散歩をしていた時、何故あるのか謎だが『金色の宝箱』を見つけた。 彼は戸惑いつつも、喜び箱を開ける。 すると突如、箱から光が溢れ出した。 『金色の宝箱』、その中には何も入っていない。 いや、正確には財宝、道具、武器など、宝箱に入っていそうな『物』がなかった。 あったのは、一つの『スキル』 ーーー此処から彼のワクワクに満ちた冒険は始まった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-07 15:26:12
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会話率:25%