ある日、優しき魔王様の城に、一人の15歳の少女の声が響き渡る。
「いけ、いけ、いけ」と城の廊下に音がこだまする……。
そしてその少女は、僕の優しい仲間たちを、次々に殺していったのだった。
そんな仲間の悲鳴を、涙しながら僕は聞いている。
ただただ、聞くことしかその時には出来なかったのだ。
怯えて、震えて、凌辱され、罵られ、涙する仲間達の事を、助けられるほど強くはなかった。
こんな世界は間違っていると……死んでしまった優しき魔王の前に、突如姿を現わす真っ白な美少女がいたのだった。
そして、そんな臆病で、優しい心の持ち主の魔王様が、勇者様に復讐するべく、優者になる物語。
この物語は、そういう物語だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-18 16:12:22
67621文字
会話率:25%