"遺伝師"業を継ぐことになった、紡(つむぐ)。何に頼っても、解決出来ない問題を抱えた人々を救う仕事。曽祖父から受け継ぐその極秘手法の家業に、小説家の千夜(ちや)も加わって、いざ開業!
最初の依頼者は、閉所暗所恐怖症の
看護師。その症状は、日に日に悪化していき仕事もままならない状態に陥っていた。精神科でも治すことが出来ず、藁にもすがる思いで辿り着いたのが、"遺伝師"の紡の所だった。
まだ、極秘手法を確立出来ていない紡たちだったが、とんでもない背景を突き止め…。
すぐに突っ走ってしまう性格の紡と、おっとりで何かと感情移入してしまう弦。その2人を取り巻く兄弟や、先祖たちと一緒に次々にやってくる難題に立ち向かう、今までに聞いたことの無い極秘家業"遺伝師"。
難題クリアなるか!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-05 10:08:52
13091文字
会話率:47%
現在この日本では人間と吸血鬼が共存している。だが必ずしもお互いが相手の存在を知っているわけではない。そして吸血鬼の数は人間よりも圧倒的に少なく、彼らは表の世界にはほとんど姿を現さない。つまり裏の住人ということだ。
そんな彼らには秘密がある
。一見人間と見分けがつかない彼らは、人間の突然変異から生まれた存在なのだということである。ある日何の前触れもなく突然変異することもあれば、吸血鬼の身体に存在するVウィルスと呼ばれるウィルスに感染することでも、人間は強制的にそれらのウィルスに体細胞を変異させられてしまうのだ。
そして彼らの最大の特徴は、人間離れした運動能力に加え、能力(ゲート)と呼ばれる特殊な能力を各々が持っているということ。そんな彼らにもその能力の代償ともいうべき対価(ロスト)と呼ばれる弱点が存在する。それもまた各々が違った対価を持ち、それらは能力と同様にさまざまだ。一般的に知られるものとして、太陽の光を浴びることが出来ない、十字架に対する恐怖心、海水に触れられないなどがある。
ある日、春刀学園に通う“十叶兎”(とがのううさぎ)は、入学してから一度も話したことのない少女、“時雨乃涙”(しぐれのるい)と出会う。そして兎は彼女から衝撃の事実を聞かされる。それは彼女が吸血鬼であるということだった。
だが兎にもある秘密があった。彼は若くして警察非公式組織であり《人外特務課》に所属している身であった。言わば吸血鬼専門の警察といったところだ。そのせいもあって、彼女の悩みの種であり、彼女自身の対価である暗所恐怖症の治療に協力することになるが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-13 00:22:37
25675文字
会話率:56%
――お父さん、悪魔がいるよ。 あの暗闇の中で父は死んだ。俺は父を連れて行った暗闇を一枚の作品に描き出す。『ニクトフォビアの悪魔』と呼ばれたその作品は、俺の恐怖の象徴だった。
最終更新:2011-09-20 01:08:49
39696文字
会話率:51%