青年作家・菱人(リョウト)は、六歳年下の女性編集者・佐知子(サチ)に、気まぐれのように賭けを提案した。「俺の原稿が締め切りに間に合わなければ、君に万年筆をあげよう。間に合ったら、君が桃を買ってくる」。二人には、お互いに触れようとしない過去が
あった。桃と言えない気持ちを抱えて走る駆け出しの社会人と、ぶっきらぼうで恋愛下手な恋愛小説家の物語。
ヒーロー、ヒロインの視点で交互に進みます。
ハッピーエンド、完結保証。
出版業界の仕事描写を含みますが、書き手にはこの分野に関する専門的知識がありません。現実とそぐわない描写があるかもしれませんが、ご容赦のうえ、一種のファンタジーとして受け流していただくか、メッセージなどでご指摘いただければ幸いです。
一部、暴力的と感じられる可能性がある表現を含みます。すべて回想シーンに関わるもので、執拗な描写は避けていますが、フラッシュバック等の健康上の懸念がある方はご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-12 09:21:17
99591文字
会話率:35%