近所の酒屋、桝清の店主ジンさんは、九州の炭鉱地帯の出身である。第四話は、そのジンさんの悪友たちとの思い出話。さて、その話だが。お盆前の夏の盛り、中学生のジンは、悪友三人と国鉄に乗って隣町の繁華街に遠征した。ところが金庫番の友人が軍資金を忘
れ、炎天下を家まで歩いて帰るはめに。あまりの暑さに、四人は早道をしようと、山を横に抜ける隧道に足を踏み入れた。夜のナイター中継までには帰り着くぞと、意気揚々と立ち入り禁止のトンネルを突き進む四人だが、やがて何かが可笑しいことに気付く。道が下りになっているのだ。慌てて引き返すも、また道は下りに。どんどん足元の勾配が急になる。やがてトンネルは古い坑道に変わり、四人の前方、闇の中に異様な光景が現れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-26 18:00:00
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会話率:26%