東京にある名門にして男子校の第一高等学校(一高)に、ドイツから美少年の貴族令息がやってきた! 冴えない一高生・祥太郎は、一高に溶け込もうとしないその留学生に振り回されながらも、徐々に友情を構築していく。しかし、その美少年には、秘密があった。
決して剝ぎ取ってはならない秘密が……。そして、そんな二人を、歴史の大波が無情にも翻弄していく……。
「カクヨム」にも投稿中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-07 16:56:59
173635文字
会話率:59%
倭国(=九州王朝)が亡びずに、優れた官僚機構を擁立してアジアに関たる帝国の一つになった世界。
1930年、大倭帝国連邦の内秦国(現実世界の山陽地方)の吉備第一高等学校(この世界での高校は旧制高校に類似)に通う学生の広野道彦は、帝都・筑紫
での「憲政擁護運動」に参加した。
その頃、帝国連邦では有司専制(官僚独裁)への反発から国家社会主義運動が高まっており、それがやがて第二次世界大戦への扉を開くこととなる――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-26 20:15:33
27715文字
会話率:53%
「鼠が増えすぎるとね、寄居留が落ちてきて、その辺に溜まるから気をつけてね」
妻が言ったのである。
なんでも、寄居留というのは、鼻行類=ハナアルキのことであるらしい。逆立ちして、鼻で歩くという、珍奇な哺乳類である。
それが、天井を通って
落ちてくると言う。
時は、大正四十九年のことである。
妻が出かけてから見ると、その奇居留がいた。なんとも愛くるしい姿で、私は陶然としてしまった。
ところが、帰宅した妻は、寄居留を見ると発狂したかのごとく怒り狂い、寄居留をホウキで追い払ってしまった。
三軒隣の薫さんが、寄居留を連れていた。それは、私の家から追い出された寄居留だった。
実は、私が旧制高校時代、私は高等女学校の生徒だった薫さんに秘かに想いを寄せていた。
こうして、寄居留を縁に、私と薫さんは駆け落ちをするのだが、その途中で寄居留のとんでもない秘密を知ることになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-11-14 11:18:48
31946文字
会話率:18%
あの時代は嫌な時代だったと皆が口を揃えるけれど、僕には尊い青春だった。戦前の旧制高校。暑苦しいくらいの友人と、哲学書と、蛍の光。――さようなら、さようなら!
最終更新:2009-01-18 22:17:22
7118文字
会話率:53%