日墨交換留学生の一員で、メリダのユカタン大学に留学している征木義彦は悩んでいた。同じ留学生の奥村志保美と付き合っていたが、最近、彼女の心が自分からどんどん離れていくのを感じていたのだ。傷心の義彦は旅に出た。アカプルコで数日過ごした後、バスに
乗ってタスコに向かった。タスコは情緒溢れた美しい街並みから、慕情の街という別名がある。義彦はそこで、斎藤和子に偶然出会った。和子は同じ日墨交換制度で日本の病院からメキシコシティの病院に派遣されていた看護婦であった。義彦より七歳上の和子は大人の魅力を備えた女性であった。タスコの街で数日、和子と散策する中で、義彦は徐々に和子に魅かれていった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-09 20:00:00
17561文字
会話率:46%
メキシコに派遣された日墨交換研修生のメリダ・グループ、社会人研修生五人を主人公とした物語である。一番若い辻は省庁から派遣されたキャリア官僚。陸奥は銀行マン、豊田は重電メーカーの技術者、垣田はシステム・エンジニア、辻内は洋酒メーカーの社員。こ
の五人の若者が織りなす青春の物語。オアステペックはメキシコシティ郊外にある温暖な保養地で、ここで、百人ほどの日本からの留学生、研修生がメキシコ政府主催の研修教育を受けていた。五人は十人の学生留学生と共に、メリダに行き、ユカタン大学で学ぶこととなる。そのメリダでの暮らしの中で、辻は徐々に変貌を遂げていくこととなる。どう、変貌したのか、・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-07 20:00:00
40002文字
会話率:40%