星の光が最も強くなる日、万星節。
この世とあの世の扉が開き、死者の魂が戻ってくる。人々はその魂が迷わぬよう、目印としてガラスの角灯、星夜灯を灯す。
万星節の前に、ガラス職人コウのもとへ相棒のリオンが森から帰ってきた。
同じ日、婚約者を亡くし
たアナが「待ち人の星夜灯」の製作を依頼するために、彼らの工房を訪れる。
彼女が望む「待ち人の星夜灯」は、普通の星夜灯とは違い、灯せば想う人に必ず会える特別な明り。作るためには、死者との思い出が宿るものと、星屑が必要だった。
星と、人と、灯火。北方にある街の、冬の星祭りの話。
温かな明りの下で。
きっと、誰かと一緒にごはんが食べたくなる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-25 16:43:19
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会話率:44%