雪が降った。
──人を、滅ぼすべきだ。
機械によって人類は栄華を極めたが、機械によって人類は滅びを迎えた。その対抗策として、人類は機械の身を蝕む雪を生み出した。それは、軍用機として生み出されたルリの身体も例外なく侵食していた。猫の形をし
た愛玩機械であるクロとともに流離う中、一人の幼い少女、シナツに出会う。
「おかあ、さん?」
「いや、違うけど?」
雪によって意識と身体を侵蝕していきながらも、ルリはシナツと一緒に旅をするうちに、滅びかけの街やそこに住む人との様々な出会いを経験する。
人型の軍用機と猫型の愛玩機械と、一人の少女。彼らの旅の終着点はどこへ辿り着くのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-03 19:00:00
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会話率:50%