仕事に疲れた健太は、初めて出張マッサージを予約する。現れたのはマスク姿の女性「田中さん」。部屋には健太が熱烈に推すトップアイドル、星野奏のCDが流れ、大量の握手券欲しさのCDの山もあった。田中さんは健太の熱い「推し語り」を聞きながら、自分が
その星野奏であることを隠し通す。健太は田中さんの声や雰囲気が星野奏に似ていることに気づくが、疲労のため深く追求しない。
翌日、アイドル総選挙で星野奏が1位に輝く。再びマッサージを予約すると、現れた田中さんはステージメイクが残っていた。健太は田中さんが星野奏にさらに似ていると指摘し、無意識のうちに「奏ちゃんは俺みたいないけてない男性とか嫌いかもしれないけど」と漏らすと、田中さんは思わず「そんなことないと思いますよ!」と強く反論する。
その後も、健太が田中さんを指名できるのは星野奏の収録日ばかりで、ライブの日は不在という偶然が続く。健太は気づかないが、田中さんはプロとして、そして一人の人間として健太に接する時間を大切にしていた。
ある握手会で、健太は星野奏と対面する。その声は田中さんにも酷似しているが、健太は推しのオーラに圧倒され、まったく気づかない。健太は田中さんが星野奏と同じ出身地で、イヤリングや手の感触まで似ていることに「運命かな!?」と無邪気に喜ぶ。
ツアーチケットが手に入らなかった健太に、田中さんは関係者からもらった良席チケットを渡す。ライブ当日、最前列でパフォーマンスを観る健太に、星野奏は視線を送る。星野奏は心の中で「私の顔も知らないあなたに、普通の私として接してくれるその時間が…私が**『星野奏』ではない、一人の人間**でいられる大切な時間になっていることを、あなたはきっと知らないでしょうね」と呟く。健太は、田中さんの正体に気づくことなく、ライブの感動に浸り続けるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 20:52:09
4601文字
会話率:11%
フルーチェがすきです。
実はフルーチェって日本でしか食べられないんですよしってました?
美味しいデザートでいくらでも食べたくなりますが、でもフルーチェのベスト量って1.5人前だと思うんですよ。その理由は…!
最終更新:2025-05-10 12:25:42
1630文字
会話率:0%
【推し語り聞きます 30分500円】
私は喫茶店の片隅で、奇妙なアルバイトをしている。
推しを語りたい、という人からお金を頂戴し、それぞれの「推し語り」を聞く。
意外と需要がある。
「わかりますか! 顔が大優勝なんです!」
同意も批判するこ
ともなく、私は穏やかな顔でその話を聞くだけだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-01 20:29:41
1978文字
会話率:25%
推しが尊い。ストーリー全部良すぎてしんどい。
毎日そんなことばかりを考えているのは、平安時代の源氏物語オタク、菅原孝標女。
彼女の「推しごと」には、現代のオタクに通じるものがたくさん!
そこで彼女が書いた「更級日記」をベースに、1000
年の時を経ても色褪せない推しへの愛と尊みを、菅原孝標女の一人称視点から書いてみました。
嗚呼、尊い……。
光源氏さままじ神……。
夕顔ちゃん可愛すぎ語彙溶ける……。
続きを読みたすぎて自作の薬師仏に祈りまくったり、久々に会えたお母さんよりも推しを摂取することを優先したり、なかなかパワフルなオタクである彼女。
そんな平安女子の推し語りを、ぜひお楽しみください。
短編にする予定でしたが、長くなったので前後編でお届けします。
※本作品は菅原孝標女「更級日記」の二次創作物です。原文と現代語訳を基に文章を作成しています。また、「更級日記」「源氏物語」共に授業で習った程度の知識しか無いので、誤った解釈等あればご指摘くださるとありがたいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-31 20:00:00
5234文字
会話率:4%