彼の取調室での事情聴取で傷を持たないで帰ってきたものはいないと恐れられる、警視庁刑事部第一課所属のエース刑事、江戸川彰警部。冷酷な拷問で、口を割らなかった犯人はいない上、冤罪件数もゼロの彼と、七色の声を持つと言われる、変装の名人、江戸川の同
僚の太宰暦警部。
彼らが追っているのはたった13歳の連続殺人犯、アメリア・ロゼエピヌであった。
23区をあいうえお順に回って、一区一人ずつ殺していくという極めて残虐な殺人方法に、彼女は絶対に痕跡を残さない。その手口に、事件解決は難航していた。昇進にしか興味がない二人は、どうにか捉えようと必死だったが、一ヶ月の間、なんの証拠も掴めていなかった。
だが、そんな彼女にも逮捕される瞬間は訪れる。江戸川が見事に逮捕して、取り調べという名の拷問にかけようとおもたものの、FBI捜査官であり一級のセラピスト、ヴィクトリア・カフカに止められる。
そして、警視庁に届いた一通の手紙。それはアメリアを『所有』しているというレイエ・ドストエフスキーからだった。
この手紙にて、アメリアが誘拐された上、洗脳されて反抗を行なっていたという線が現れる。
これに関して、複雑になってきた事件に苛立ちが隠せない、そんな江戸川にレイエが送ってきたある言葉に江戸川の沸点は見事に爆発してしまうのだった。
『生きるということは、この世で一番稀なことだ、大抵の人はただ存在しているだけである
ーオスカー・ワイルド』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-20 20:38:48
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会話率:29%
アリスは子爵家に生まれながらも存在を無視されていた。
家族である子爵家の人間からも使用人達からも居ない人間として扱われていた。
長い間不当な扱いを受け、吃音症を持つアリスは辛い毎日を昔世話をしてくれていた執事を思い出しやり過ごしていた。
そんなある日、アリスをアイアン製のハーフマスクを着けたカイエン伯爵が訪ねてくる。
仮面の伯爵は、アリスを妻として迎えたいと言った。
アリスは仮面の伯爵の元へ嫁ぐ事になる。
透明人間として長年暮らしてきた透明令嬢と、仮面の伯爵の奇妙な生活が始まるが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-21 22:00:00
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会話率:24%