アリス・ハイズは幼い頃に自分と同じ名の英雄像を見て憧れた。
龍の力を借りて戦う龍使徒を夢見て過ごしていたが彼には才能が無く、逆に幼馴染の少女エトには才能があった。
夢を諦める事は幼馴染のエトとの別れも意味していた。
自分に才能が
無いと知っても夢を捨てられなかったアリスはまだ知らない。
憧れた英雄像が自分とそっくりな事も、自分が過去の世界で英雄になる事も。
エト・クラナは夢を見る。
それは誰かの願いに届かずに消えてしまった世界の記憶。
人知れず世界の為に犠牲になり続けた幼馴染の少年の物語。
彼が過去で英雄と呼ばれるようになっても、そこに幸せなどなかった事をエトは知っているから。
だから彼女は願い続ける。
いつか彼が幸せになれる日が来ることを。
少女の願いが届く時、少年は英雄になる。
これは彼と彼女の最後の英雄譚。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-23 23:06:24
82817文字
会話率:40%