昭和21年12月、書家・橋本孝元の元に、出版社社長・浦木練三が現れる。
新憲法を絶賛する浦木。橋本はそんな彼を冷ややかな目で見つめ、静かに言う。
「君も『またぎ』なんだな」
またぎ—戦争の前後で立場を都合よく変える者を、人々は軽蔑を込めてそ
う呼んだ。
かつて「聖戦貫徹」を叫んだ出版人が、今や民主主義の旗振り気取り。そんな浦木に橋本の怒りが爆発する。
※執筆にあたり生成AIを使用しました折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-16 08:33:50
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会話率:42%
戦後民主主義が進む中で、未だ旧弊がはびこる小さな村、美千はその村に嫁いできて十五年になるが、夫の徳治との間に子どもはない。
この村には「里返し」と呼ばれる、結婚して何年も子どもを産めないとなると半ば強制的に実家に送り返されるという古くからの
悪習があり、美千は不安を覚えながら過ごしている。
ある日、近所で仲の良い富貴が、「里返し」のしきたりに則り実家に帰される。漠然とした不安は現実のものとなり、美千の不安は深まるのだが、、、折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-20 21:18:15
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