はじめからなのか、今そうなったのか。記憶のない、性別もあやふやな自称「俺」は、気づくとノアという少女だった。それも彼女は、命や精神が窮すると狂った漆黒の獣鎧戦士へと一時的に化す身体を持ち、意識とわずかな五感を残して別の生物のように殺戮に明け
暮れた――
なすすべのないノアは、女の素性を隠して山奥で暮らしていたある日、赤黒い犬に追われていたところを、ある王国の神秘術(魔法?)師の少女サジュに助けられる。少年の深緋と獣の漆黒?――2つの心魂をノアに見たサジュは、彼女の狂戦士化を一時封じ、謎の霧の調査へと連れ出した。その霧とは異界とつながり、人をさらい、バケモノ(魔物や魔獣?)を往来させる噂があった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-22 00:05:03
54935文字
会話率:21%