「私が宮女……ですか?」
貧乏村の片隅に生まれ、父と母の死後は山中で一人暮らしをしていた小恋(シャオリャン)。
ある日、皇都からやって来た宮廷の遣いの者により、小恋は後宮の女官として働くようスカウトされる。山育ちの野良娘でしかなかった
小恋は、こうして華やかな宮廷で女官として生きることになった……はずだったのだが――。
「新入りの宮女が、第一妃様を張り倒したぞ!」
その初日、(諸事情により)第一妃にビンタしてしまった小恋は、一転罪人に。
処刑確定……と思いきや、特例で許せれたのだが、女官から格下げされ、下女として後宮内の雑用係にされてしまった。
周囲の女官から、『雑用姫』と馬鹿にされる小恋。しかし、ここから小恋の快進撃が開始する。
ボロボロになった宮殿をリフォームしたり、貧乏暮らしで培った生活の知恵を駆使して雑用を難なくこなし、結果、女官や妃達から一目置かれていく事に。
一方で、後宮に潜む邪悪なものを狩る《退魔士》の仕事にもひょんな事から係わることになり、そちらでもめきめき頭角を現し仲間からも認められていく。
そんな日々を送っている内に、徐々に小恋の名は宮廷内に知れ渡り、皇帝までもが彼女を頼るようになって……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-26 07:00:00
201392文字
会話率:39%
「貴様を聖女と信じた俺が馬鹿だった。稀代の悪女め。婚約は白紙だ。出て行け」
貴族の娘のレフィアは、婚約者である皇家の嫡男に一方的に婚約破棄を告げられた。
なんと彼女の部屋から帝国の転覆を狙った計画書が出てきたというのだ。
目立つと
ろくなことがない――かつて救国の聖女と呼ばれた母の教えをレフィアは思い出していた。
だから、幼い頃から母譲りの高位の魔術が使えることも黙っていたし、興国の英雄譚に憧れて、軍事や内政の勉強に密かに精を出していたことも言わずにいたのに、その美貌から皇家の嫡男に求婚されたレフィアを妬んで罠にはめたのだろう。
帝都にいる限り悪意のある噂は勝手に広がっていく。
計画書を突き出されたレフィアはそれを眺めて言った。
「これを書いたのは私ではありません」
「ほう、証拠でもあるのか」
「証拠も何も、私ならこんな杜撰な計画は立てません。私が本気ならもっと確実にこのろくでもない帝国を転覆させてみせます」
「き、、貴様っ」
しまった。つい本音が。
「貴様のような小賢しい女に内助の功など期待できぬわ。去れっ」
皇家の怒りを買ったレフィアは、新たな婚約者として地方領主の元へ送られる。
しかし、皇家は知らなかった。レフィアが目立ちたくないが故に隠していた圧倒的な才能を――
新しい婚約者は暴君と怖れられる男。だけど、この人曲者だけど、意外と私好みで――
少なくともろくでなしの皇家の嫡男より面白い国にしてくれそう。
……じゃあ、ちょっと暗躍しますか。私なりの内助の功とやらを尽くしてみましょう。
辺境なら周りの目もそれほど気にならない。
思い立ったレフィアは、圧倒的な「内助の功」で、地方領主の夫を皇帝の座へと押し上げていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-05 22:32:02
31579文字
会話率:55%