名前は『しねよ、カス』。スマホの連絡先に登録された、別れられない“あの人”。金も心もすり減らされて、何度も終わろうとしたのに、ぬるい優しさ一つで戻ってしまう。過去のたった一度の温もりが、今も罠のように胸を締めつける。酔った夜、泣いた朝、鳴る
着信。それでも自分からは切れないまま――女は“違う誰か”になろうと、マッチングアプリに手を伸ばすが…。
これは、愛と依存の境界線で、何も変えられないまま“まだ好き”が残る、ひとりの女の痛みの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 20:00:00
1751文字
会話率:16%
高校生の夏、重い吃音から逃れるように訪れた離島・汐凪島で、相葉海斗は従妹の凪、転校生のユイと出会う。しかし、美しい島の夏は、古くから伝わる因習と閉鎖的な狂気に蝕まれていた。海斗は、凪を守るという歪んだ決意から、取り返しのつかない罪を犯し、
二人は秘密を共有する「共犯者」となる。
それから五年。海斗と凪は、島で息苦しい共生を続けていた。表面上は平穏に見える日々。しかし、互いを監視し、依存し合う歪んだ関係性は、見えない檻のように二人を縛り付けていた。そんな中、島にリゾート開発計画が持ち上がり、本土から執拗なフリージャーナリスト・佐伯が現れる。佐伯は、五年前の「事故死」として処理された島の長老・シズの死に不審を抱き、真相を追っていた。
佐伯の調査は、海斗と凪が必死で守ってきた秘密の壁を少しずつ崩していく。さらに、あの夏、全てを目撃して島を去ったユイが、記者となり、過去と向き合うために再び島を訪れる。ユイの出現は、海斗と凪の共犯関係を根底から揺さぶる。
封印していたはずのフィルムカメラの存在。蘇る罪悪感と、僅かな解放への期待。凪の深まる執着と、静かな狂気。そして、佐伯によって徐々に明らかにされる、五年前の断崖での衝撃的な真実。
過去の呪縛から逃れることはできるのか。共犯者の檻から抜け出す道はあるのか。それぞれの選択が交錯し、物語は再びあの夏の断崖へと収束していく。これは、罪と罰、愛と依存、そして記憶の重さを描く、痛切な青春サスペンスの第二章である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-27 07:00:00
32188文字
会話率:36%
冬の鬱々しい路地裏と、海の底。
「彼女」に溺れる僕が、そこにいた。
これは恋愛と呼べるのだろうか。暴虐な愛と依存は3人の運命を結んでいた。一人一人の夜は、赤かった。
最終更新:2019-04-22 14:08:35
1584文字
会話率:0%