――――かつて、刀一本で天下統一を果たした【陽ノ国】初代皇帝。
彼が息子に皇位を譲り、姿を消してから幾星霜の時が流れた。
代々、皇族を守護する御剣家の長男、御剣刀真(みつるぎとうま)。
皇族を守護する刀士たちにとって、命と繋がる己の武器…
…【命刀】を発現させることは何よりも重要だった。
――――しかし、彼は【命刀】を発現させることができなかった。
そのうえ、何故か魔力も上手く扱えず、まさに刀士として絶望的な状況。
これが原因で、家族や分家から見放されたものの、彼は少しでも認めてもらいたい一心で努力を重ねる。
だが、その思いも空しく、刀真は厄介払いとして島流しに。
そこは【陽ノ国】屈指の危険な島であり、昔から伝わる迷信により、体のいい生贄として刀真が選ばれたのだ。
魍魎が跋扈するその島で、まさに絶対絶命の危機。
それでも生を諦めず、最後まで抗う刀真の下に、一人の老人が姿を現した――――。
これは、かつて無能と呼ばれた少年が、自分の居場所を見つける物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-28 12:21:32
80522文字
会話率:35%