――厄災の贈物【パンドラギフト】
それはこの世界に植えられた破滅の種子だ。
存在しないはずの魔を降ろし、すべての希望を喰らい尽くすまで止まらない。
そしてねじ曲げられた運命は、何度抗おうと変わらずに時を刻み続ける。
あらゆる種族、あらゆる思
惑が混じり合い、白紙である物語の最後を綴るための聖戦。
それが、この物語の名だ。
繰り返される後悔の中、交差する未知と既知。
白紙の頁を綴れる者が現れぬまま、幕を下ろした英雄譚。
故にこれは、すでに終わったはずの物語……手にした君の御伽噺(パラミシア)。
その頁を開いたとき、物語は再び動き出す。
想いと想いがぶつかり合い、紡がれていく涙と悲劇の未完の噺。
欺瞞と狂信が歌う嘆きの詩が聞こえた時、狼火が灯り反逆の旗は翻る。
「貴方がいたからここまでこれた」 物語の結末――それは栄光か、黄昏か。
※あらすじ※
一人の男は何度も何度も同じ夢を見た。赤い紅い血溜りの夢だ。
それはその男、ロウが一人の少女に殺されてしまうという悪夢だった。
そんな彼に訪れたのは赤い夢の少女とその妹、シンカとカグラとの運命の出会い。
そして、少女たちの目的は、未来に起こる滅びからこの国を救うことだった。
※『それは現のイストリア』と合わせて一作となりますので、そちらもご一読頂けると幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-30 23:07:08
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会話率:37%