私は犬である。
名前はブランキシマ。通称ブランカ。白い毛並みで、体がそれなりに大きくて、少しばかり知恵が回るだけの、ただの犬だ。
私の御主人──ファミルザ・グルーシスは、世間では『勇者』と呼ばれる偉大で誰からも尊敬される人物である。武
芸の腕は一流、魔法の腕も一流、手先も器用で、何でも知っている。まさに勇者となるべく生まれてきた、選ばれし者だ。
しかし、それはあくまで人間社会の中での一般的な認識である。
私からしてみたら、御主人はとにかくどんくさくてそそっかしい、危なっかしくてとても一人で外を歩かせられないような世話の焼ける情けない人物だった。
これは、そんな『勇者』たる御主人とその飼い犬たる私との暮らしの様子を綴った物語である。
本作は短編「私の御主人様」を長編用にリメイクした作品です。手っ取り早く話の内容を知りたい方は、短編の方を御覧下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-12 07:15:21
15298文字
会話率:23%
私は犬である。
私の御主人様は、人から『勇者』と呼ばれている偉大な存在らしい。
これは、そんな御主人とその飼い犬たる私の日々の暮らしを描いた物語である。
ありま氷炎様主催の「第四回月餅企画」参加用に書いた短編です。
最終更新:2018-09-24 07:05:17
4891文字
会話率:1%