「好き好き大好き! もっと好き! 世界で一番! 愛してる!」
声優のライブイベント中、会場の俺の隣で誰よりも推しに向けて愛を叫んでいたのは、髪をピンクに染め上げ、耳にはピアス、胸元を強調させるようにいい感じに制服を着崩す、同じクラスのカリ
スマギャル小田南(おだみなみ)さんだった。
高校生に入ってからオタクデビューを果たした俺、太田拓海(おおたたくみ)は同じクラスの陽キャギャル軍団に毎日机を占拠され、陰キャとして片身の狭い高校生活を送る日々。
ある日もまた俺は机を占拠されていたが、その日はそれが些細なことに感じられた。なぜなら、放課後に生まれて始めて推し声優のライブイベントに赴くから。しかもSNSで仲良くしている強いオタクな『てぇてぇ大将軍』さんと現地で合えるということもあり、期待に胸を膨らましていた。
時間になって、待ち合わせ場所に現れた『てぇてぇ大将軍』さんは――
「あれ、太田君?」
俺の机を占拠していたギャルグループの一人、小田さんだった。
陽キャ特有のドッキリ的な何かかと思った俺は彼女のことを怪しい目で見ていた。しかし、ライブが始まり、小田さんは豹変する。
「あのさ、私じゃなくて推しを見ろ! 推しは推せるときに推すのが鉄則だろーが!」
カリスマギャルは正真正銘の声豚だったのである。
これは一人の推し声優をきっかけに、ライトなオタクが重度のオタクなギャルの魅力に気づき、そんな彼女に心惹かれて好きになっていく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-10 17:10:29
10652文字
会話率:36%
何をされても無表情な正義感の強いオタク少年・桐峯健介(きりみねけんすけ)。
彼はある日、ちょっと変わった少女に呼び出され、告白を受ける。しかし、
「ごめん。親しくない人とは付き合えない」
健介はこれを拒絶。
そして次の瞬間、彼女はま
るで別人のごとく不良少女のように変貌して……。
そう、少女は多重人格だったのだ。
これは、少女とその内に眠る4人の人格にほぼ同時に惚れられたオタクの物語である。
「……ネットで対処法、調べよ」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-29 00:35:24
417文字
会話率:0%