僕は、ある日の夜の公園で、放尿していた。
どうしても尿意が我慢できず、仕方がなかったのだ。
ふと横を見ると、僕以外に男が一人いて、その男も僕とは違う様子で用を足していた。
男は、僕と目を合わせ、「君はおしっこが好きかい?」と突然言うのだった
。
恐ろしくなってその場から逃げた僕だったが、その日から変調をきたし、排尿へ神経質になる。
どうしてこうなったのか、右往左往しながら、僕は見知らぬ男と未知なる排尿の世界に惹かれていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-29 20:00:00
48775文字
会話率:43%
三文作家である私は、偉そうにテレビや雑誌で講釈を垂れている学術論者が嫌いである。いつか、そのものたちがどんな汚い手を使ってあぶく銭を稼いでいるのか暴いてやるつもりでいた。
そんなある日、友人の編集者から知性の高い人しか参加できないとい
う、理論発表会の審査員として招かれることになった。しかし、当日になっても、私は現地の住人や他の審査員からまったく客としての丁寧な扱いを受けることができなかった。しだいに、この会の胡散臭さに気づいてくるが……。
2000年の夏頃に書いた幻覚小説です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-13 05:00:00
14301文字
会話率:39%