13歳で崩王病(ほうおうびょう)という不治の病に罹った、パイロン伯爵家の長女、クラリア=ティエ=パイロン。
嫡子である弟が生まれてから、ぞんざいに扱われ、結婚要員として過ごす毎日であった彼女は、それでもいつか誰かに愛情をもらえると信じて日
々を過ごしていた。
しかし、崩王病に罹ってしまったことにより、美しかった身体は老木のように醜く痩せ細り、死を待つだけの運命になってしまう。そして伯爵家から用無しと判断された彼女は、王都の外の森に着の身着のままで放り出されてしまい――絶望と諦観を胸に抱きながらも、彼女はそれでも生きたいと願う。
そんな時――偶然、口元に落ちてきた一枚の葉を口にした瞬間、彼女の中に新しい選択肢が生まれることとなる。
森に廃棄された伯爵令嬢の新たな人生は、そんな深い地獄から産声を上げた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-02 23:16:05
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会話率:12%