ーーーあの日、身の内に鯉を飼う男と出逢った。
山に囲まれた小さな村に、ある日絵を描くことを生業とする男がやってきた。
男は、赤と黒の鮮やかな錦鯉が肌の上に住み憑く痾『居鯉(いこい)』を治す為、村へ来たのだと知恵者のお爺様(じじさま)が
言った。
そんな男の世話役を担う村の童と居鯉の男を取り巻く穏やかで不可思議な日々を、1ページ140文字の小話で綴る、和風ファンタジーです。
【登場人物】
居鯉の男:人の肌に住み憑く『居鯉』を発芽させた男。絵描きを生業とし、現在は村外れの山の麓にある庵に住んでいる。
童:居鯉の男の元へ足繁く通う村の子ども。知恵者のお爺様から『痾(やまい)』について学んでいる。
※Twitter( @CHR_SM_IKOI )にて不定期更新中。
※個人HPにて更新順に掲載。not時系列・not季節
(http://nanos.jp/chr1sm/blog/3/)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-05 20:00:00
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将来に対する夢も希望もなく、高校卒業後は
「でっかい夢があるんだ。その為にはやりたくない仕事に時間を割いている暇はないんだ」
という必殺文句を武器に、ニート生活を謳歌する予定の高校3年生、四季富士居鯉《しきふじ いこい》は姉であり新人ア
イドルの輪鯉《りんり》こそ、ニート生活の要だと思っていた。
売れっ子になればそれだけ大金が家に入って来る。
輪鯉は、家族を大切にする最高の姉だ。
トップアイドルの稼ぎなら一生ニート生活も可能だと居鯉は思っていた。
しかし、事件は唐突に起こった。
ある日の夜、突然部屋に入って来た輪鯉が
「体を舐めさせてくれないかしら。食べはしないから。塩気がほしいの」
と告げてきたのだ。
どうやら輪鯉は、仕事先で謎の球体と接触し
その日以降、人を食べ物としか見れなくなったらしい。
姉が、凶悪ド変態殺人犯になってしまっては将来ニート生活どころではない。
そうなる事態を阻止すべく、居鯉は自分のニート生活謳歌、という
「一周廻って逆にこれこそ夢」のために、
ニート生活謳歌の実現には必須である輪鯉の稼ぎ、
「ニート生活への一筋の光、希望」を手放さないために、
輪鯉の正体を周囲に知られる事なく、トップアイドルへの道を手助けしていく事を決意する。
夢と希望を手にした居鯉(クズ野郎)の波乱に満ちた日々が、はじまった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-03 03:24:07
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