神殿から家出した聖女×家出聖女に雇われた傭兵
「あなた、とっても意地悪だものね」
「なにごとも対価が付き纏うんだぜ、お嬢ちゃん」
「安心して、あなたにはきっと私の全部をあげられるわ」
「......要らねぇよ、そんな重いもん」
聖
なる力は生命力を削るが、聖女にとって無償の奉仕は美徳とされる。
だが傭兵にとって無償は身を滅ぼすもので、対価は人の尊厳を守るためのものだと言う。
余命僅かの聖女は逃亡して初めて世界を知り、そして傭兵は初めて見返りのない愛を注ぐ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-05 16:39:36
3091文字
会話率:30%
魔界を治めて約千年。近い将来魔神になるとさえ噂されていたクロウは、突如魔王の座を降りた。それは『昼寝が満喫できるような日々を送りたい』という願いを抱いてしまったからだった。
そこでクロウはさっそく隠退生活のために人間界の一部を支配したものの
、人々には疲労が見えて覇気がない。
「このような有様で我の世話ができるわけがなかろう!!」
休暇はしっかり取得せよ、我一人に豪華すぎる食事はいらん!住宅に問題?補助なら出す、しっかり休息を取らんでどうする!
こうして魔王は使用人に料理人、執事、家出聖女に魔界から追ってきた魔女の心を自らの意図とは異なる所でわし掴みつつ、自らの隠居生活を支える資金を集めるため、街の開発にも取り組んでゆく。
そう、すべては自らが楽をするためだけに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-21 06:00:00
107737文字
会話率:37%
『しゃべらないんじゃないです。―――しゃべれないんです』
魔物に襲われ、絶体絶命だった商人を救ったヨシュア=ハートリッカーはそんな自己主張をする。しゃべれない自称魔法使いは、自らの声を取り戻すために聖女の奇跡を求めていた。終わってしまった悲
劇に区切りをつけるために。
全ては亡くした妻の墓前で、愛してい『た』と告げるために。
しゃべれない魔法使いは、声を求める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-28 03:48:55
59485文字
会話率:44%