『時』___
人は生を受けたその瞬間から、『時間』という呪いにかかる。これを時の呪縛と言った。つまりは機械仕掛の人形と同じ原理で、心臓がゼンマイで、人が人形__。ゼンマイは意識して止めれず、ただ寿命が尽きるまで回り続ける。心臓に関してもそ
れと同様、寿命が尽きるまで働き続ける。
とある高校男児、雨夜 雫は平穏な毎日を送っていたどこにでもいる平凡な学生の一人だった。だが、ある日のこと__雫は突如、世間を騒がせていた『意識喪失事件』に遭遇することになった。そして平穏な生活は一変することになる___
それは学校から幼馴染みである春霞 愛華と共に下校をしている最中のことだった。帰る道はいつもと同じ、家に挟まれたひと気の少ない小道。季節は6月ということもあり、空は灰色の憂鬱な曇り空、あたりは雨でぬかるんでおり、小道の両脇に立つ石の壁は雨粒を浴びて、湿り気を帯びていた。
雫たちが所々にできた水溜まりをよけながら、歩いていた時だった。地べたに転がる黒い影が雫の目に留まる。そしてすぐに雫は自分の体に異変が起こり始めるのに気がつくのだった。だが考える間もなく、そのまま膝を地面につけ倒れこんでしまう。意識はあるが、体が動かなくなった。傍にいた愛華は必死になって雫の体を揺らし声をかけるが。すると、そんなところへ妙に冷たい声が聞こえるのだった__
*4話から後のあらすじ*
愛華を連れ去られた雨夜 雫は、チャールズ、青嵐が属するWTPO(世界時間保全機構)の元で、彼女の奪還を目論み3年の月日が経った。
しかし、3年の歳月が経たにもかかわらず、『時空の狭間』への侵入を計画する闇の組織『エリン・フィア』は依然健在のままで愛華も助けられずにいた。
『時の十の標』
一、聖刻を刻まれし赤児の魂を差し出す
二、時間の均衡を保つ支柱の破壊する
三、『時間の狭間』に繋がる場所で儀式を行う
四、鍵となる3人の選別者を差し出す
五、全ての人種の血肉を差し出す
六、次元の魔法陣を作り儀式を行う
七、聖火の炎を聖台に灯す
八、次元神の涙を流す
九、聖杯をもつ
十、聖者の印を持ちし者が行う
これが果たされた時、すなわちそれは『時空の狭間』への道が開かれることを意味した。
《警告》
*長期間投稿に耐えられない方はご遠慮下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-23 16:53:59
46898文字
会話率:21%
戦国時代。
後に生きる人々は、この時代をそう呼んだ。
室町幕府の権力が完全に失墜し、様々な戦乱と共に多くの大名が名を馳せた乱世。
ただの商売人が、下克上によって一国の大名にまでのし上がる、夢を魅せる時代。
とある冬の山中で、一人の少年
と赤子が出会った。
生まれた時から己の定めに囚われ続ける「忍び」の少年。
周りと違う容姿、異なった血を持つ「異人」の赤子。
二つの孤独な運命が交錯した時、歴史は確かに新たな動きを見せていた。
戦国時代、それは動乱の世。
これは名高い英傑らの影に埋れていた、名も無き彼らの物語である…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-18 22:36:06
30944文字
会話率:24%